グーグルは5月20日、「Google I/O 2025」で、最新の動画生成AI「Veo 3」を発表しました。動画の品質はずば抜けていて、これまで以上にリアリティーのある自然な動きが作成できるようになっています。また、「Flow」という動画生成と編集を一括にできる環境も公開しました。課題は価格です。Veo 3はGoogle AI Proプラン(月額2900円)でも使えるものの、月10回に制限され、Google AI Ultraプラン(月額3万6000円)を使うことが事実上の前提になっています。3ヵ月間限定の半額セールもされていますが、それでも月額1万8000円。あまりに高くて連続利用には悩んでしまいますが……1ヵ月だけ試してみることにしました。
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「Flow」を通じて画像→動画(image to video)ができるように
2024年12月に公開された「Veo 2」は、グーグルの生成AIサービス「Whisk」でも使うことができました。ただし、Veo 2に最初のフレームとして画像を指定するためには、Imagen 3で作成した画像を指定する必要があり、画像データをアップロードして読み込ませることはできませんでした。一方、Flowでは画像をアップロードして指定できるようになりました。Veo 2では始点と終点の両方を、Veo 3では「Quality(品質)」モードでは始点を指定できます。動画生成AIの実用性は、任意の画像を指定する機能(Image-to-Video)の有無で有用性が大きく変わります。Veo 3はその機能に対応しました。
Flowでの課金方法は4種類で、生成できる動画は16:9、720pサイズ、8秒間のみです。
Veo 2 - Fast 10クレジット
Veo 3 - Fast 20クレジット(Text-to-Movieのみ)オーディオ機能付き
Veo 2 - Quality 100クレジット
Veo 3 - Quality 100クレジット (始点機能あり)オーディオ機能付き
6月6日には、Flowに「Veo 3 Fast(高速)」モードが追加されました。Text-to-Videoのみの限定ではありますが、価格に選択肢が生まれました。
Google AI Ultraプランは月額3万6000円ですが、もらえるクレジット数は1万2500クレジットなので、「Veo 3- Quality」では月に125回しか生成できません。1回の生成には288円(キャンペーンで半額と計算すると144円)かかる計算になります。動画生成AIとしては、現状提供されているクラウドサービスのなかで、かなり割高な価格設定であることは間違いありません。

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