最高画質と中程度の画質で歴代xx60番台GeForceと性能比較
GeForce RTX 5060をゲーム11本でベンチマーク、「これでいい」と「VRAM 8GBはつらい」のせめぎ合い
2025年05月24日 11時00分更新
最新ゲームでもVRAM 8GBに収まるものもある
ここからはもっと新しいゲームを利用し、DLSSやレイトレーシングを積極的に使う条件で検証してみよう。前述の通り、DLSSやFSR 3を利用する場合「クオリティー」設定に統一している。
「Grand Theft Auto V Enhanced」
画質は「最高値レイトレーシング」に設定。フレーム生成は実装されていないため、全GPUでDLSSを使用している。テストはディレクターモードでダウンタウンにおける夜間&雨天という状況を準備し、一定のコースを移動した際のフレームレートを計測した。なお、VRAM使用量が8GB以内に収まるため、画質を下げた設定では検証していない。
また、このゲームはDLSS FGには対応していないが、現状RTX 50シリーズのみで使えるフレーム生成機能「Smooth Motion」が利用できるので、RTX 5060 Ti 16GB〜RTX 5060はそのデータも併記している。グラフ中の「(SM)」はSmooth Motion利用時のフレームレートである。
RTX 5060はRTX 4060に比べ、23〜27%高いフレームレートを出せている。上位のRTX 5060 Ti 8GBと比較した場合、素の性能差は小さい(フルHDで7%程度)ものの、Smooth Motion利用時は大きく(フルHDで12%程度)なる。これはフレーム生成を実施するTensorコアの数が関係していると思われる。
旧世代GeForceとの性能差はさらに拡大傾向にあり、RTX 5060はRTX 4060に対して23%程度、RTX 3060 12GBに対しては52%程度高いフレームレートを出せる(いずれもフルHDの場合)。そして、やはりSmooth Motion利用時はその差はさらに拡大する。
ただし、Smooth Motionを効かせてもRTX 5060では4Kプレイは厳しい。どころか、背景や地面の更新に違和感が出やすいため、プレイには耐えられない。RTX 5060のスペック的にはWQHDまでが限界だろう。
Smooth Motion利用時のワットパフォーマンスが劇的に伸びており、RTX 3060 12GBやRTX 2060と比較すると、RTX 5060は2倍どころか5倍以上の効率が期待できる。RTX 4060のワットパフォーマンスも決して悪くないが、Smooth Motionが使えるぶんRTX 5060には劣る。
「Clair Obscure: Expedition 33」
最近話題を呼んだClair Obscure: Expedition 33も試しておこう。画質は「エピック」に設定。DLSSは対応するがDLSS FGには対応していない。Smooth Motionについては今回の検証環境ではエラーが出て有効化できなかったので使用しなかった。最初のステージ後半、群衆の中を通るようなコースを移動した際のフレームレートを計測した。
VRAMの平均使用量はフルHD時で約6.3GB、4Kでも7.5GBとおとなしめだが、描画負荷は結構なものである。オブジェクトが多めのシーンで検証しているが、RTX 5060だとフルHDで60fpsキープがギリギリできるかどうかといったところだ。ただし、メニュー画面の挙動などからまだチューニングに“慣れていない感”が伝わってくるため、まだ伸びしろはあるようだ。
肝心のRTX 5060だが、RTX 5060 Ti 8GBとRTX 4060のちょうど中間に着地。Smooth Motionがうまく機能すればRTX 5060の価値がもっと高まる。しかし、RTX 5090が出てから5ヵ月近く経過するというのに、まだまだゲームを選ぶ傾向が強い……。
フルHDにおけるRTX 5060のTBPは117Wと、TGP(Total Graphics Power)の公称値(145W)よりもかなり低い値になった。まだGeForceの最適化がいまひとつで、GPUに仕事が回ってないパターンなのかもしれない。

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