楽しく暮らして脱炭素できたら最高じゃん。「TOKYO GX ACTION CHANGING 〜未来を変える脱炭素アクション〜」レポート 第22回
TOKYO GX ACTION CHANGING 〜未来を変える脱炭素アクション〜レポート
環境に優しい社会は「環境のことを全然考えなくていい」社会かも
2025年05月29日 11時00分更新
持ち物を選ぶ基準が「環境への配慮」という方
どれくらいいるだろう?
小物や日用品の展示も充実していました。
「TOYOTA UPCYCLE」というシリーズは、あの「レクサス」製造時に余った革の端材をアップサイクルして、パスケースやペンケースといった小物に仕立て上げたブランドです。
高級車に使われている材料なだけあって、質感は上質。価格も、同等の品質を持つ他メーカーの製品と比べると、求めやすいラインに抑えています。
リサイクル素材の使用に積極的なメーカーのひとつ、パタゴニアも、今シーズンのアパレル製品を展示していました。
同社は以前から「環境に望ましい素材のみを使用する」という目標を掲げた企業活動を続けていて、今シーズンは製品ラインの99%がリサイクル素材から作られているといいます。99%はすごい。
記事のおわりに
SDGs(持続可能な開発目標)の中には、海や陸の豊かさを守ることや、気候変動への対策といったテーマが含まれています。その影響もあってか、少し前までは「環境に優しい製品を積極的に選ぼう」「環境によい行動を進んで実践しよう」というムードが、社会全体に強く広がっていた時期があったように思います。
こうした「した方がいい」という空気が熱を帯びてくると、どこかで「しなければならない」や「しないのは悪だ」といった義務感や圧力に切り替わってしまうことがあります。
もちろんこれは、あくまで消費者レベルの話ではありますが、「環境を大切にしたいから、優しいプロダクトを選ぶ」という姿勢は、美しい行動指針だと思います。一方で、「環境に配慮しないと、誰かに責められる気がするから選ばなければならない」といった理由で選ぶことには、少し息苦しさやストレスを感じてしまうこともあるのではないでしょうか。
けれども近年では、「特に意識していなかったけれど、気づけば選んでいた製品が、実は環境に配慮された仕様を持っていた」というような場面が、確実に増えてきているように感じます。
「おいしそうだから選んで食べた料理が、実は環境への負荷が少ない素材で作られていた」「デザインに惹かれて購入した製品に、リサイクル素材が使われていたと後から知った」
そんなふうに、特別な意識をせずとも、自然な行動がそのまま環境保護につながっていく。環境のことなんて全然意識せず普通に生きていたら、環境に配慮されていた──そうしたあり方こそが、脱炭素社会を目指すうえで、私たちがたどり着きたい理想のかたちなのかもしれません。

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