Anthropicは5月2日(現地時間)、AIアシスタント「Claude」に外部ツール連携を可能にする「Integrations」と、調査能力を大幅に向上させた「Advanced Research」機能を発表した。特に注目すべきはAdvanced Researchにおける調査時間の柔軟性で、日常的なタスクは迅速にこなしつつ、複雑な要求には時間をかけて応える能力を獲得。人間が数時間かけていた作業を、より効率的かつ高度に実行できるようになる。
Claudeが外部ツールと連携、仕事の進め方が変わる
新機能「Integrations」は、Model Context Protocol(MCP)を通じて、様々な外部ツールとClaudeを直接連携させる仕組みだ。まずは、AtlassianのJiraおよびConfluence、Zapier、Cloudflare、Intercom、Asana、Square、Sentry、PayPal、Linear、Plaidといった10の人気サービスに対応する。
今後、StripeやGitLabなど、さらに多くのサービスとの連携も予定されているという。これにより、Claudeはユーザーの業務内容やコンテキストを深く理解し、よりパーソナライズされた的確なサポートを提供する。
さらに、開発者は提供されるドキュメントや、OAuth認証などを組み込んだCloudflareのようなソリューションを利用し、最短30分ほどで独自のIntegrationを作成することも可能だ。それぞれの連携はClaudeの能力を飛躍的に拡張する。例えば、数千ものアプリを繋ぐZapierとの連携では、Claudeとの会話を通じてこれらのアプリやカスタムワークフローを操作できるようになる。
具体的には、HubSpotから営業データを自動で取得したり、自身のカレンダー情報に基づいて会議の概要を作成したりといった作業まで可能になり、日常業務の自動化と効率化を大きく前進させるだろう。
調査は速さと深さを両立! Claudeが賢く時間を使い分ける
今回のアップデートのもう一つの目玉である「Advanced Research」は、Claudeの調査能力を新たな次元へと引き上げる。特筆すべきはその所要時間だ。複雑なリクエストに対し、Claudeはまず調査タスクを細分化し、Web、Google Workspace、そして「Integrations」で接続されたアプリなど、広範な情報源を探索する。
その結果、レポートの作成時間は要求される内容に応じて変動する。ほとんどのレポートは通常5分から15分程度で完了し、日常的な情報収集や簡単な分析であれば、ユーザーを待たせることなく迅速に結果を提供する。これにより、日々の業務効率は格段に向上するだろう。
一方で、より複雑な調査や深い洞察が求められる場合には、Claudeは最大で45分という時間を費やし、情報を徹底的に掘り下げ、分析を行う。この最大45分という調査時間は、人間が手作業で行えば数時間はかかるような骨の折れる情報収集・分析作業に匹敵するものであり、これまでAIには難しかったレベルの、信頼性の高い引用元付きの包括的なレポート作成を可能にする。つまり、Claudeはタスクの難易度に応じて、スピード重視の対応と、時間をかけた質の高い分析を賢く使い分ける能力を身につけたと言える。
IntegrationsとAdvanced Researchは、Max、Team、Enterpriseプランでベータ版として提供が開始され、Proプランでも近日対応予定だ。Web検索機能はすでに全有料プランでグローバルに利用可能となっている。速度と深さを両立させたClaudeの進化は、AIアシスタント活用の可能性をさらに広げることになりそうだ。







