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エンタープライズ市場に続き、クラウド市場や中堅中小企業市場でも地位確立を目指す

国内シェアNo.1の次は「市場シェア50%獲得を目指す」―Veeam 古舘社長

2025年04月17日 07時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

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包括的なランサムウェア復旧サービス、日本でも提供を開始へ

 ランサムウェア対策 シニアソリューションスペシャリストの熊澤崇全氏は、Veeamにおけるランサムウェア対策関連のアップデートを紹介した。

 まず取り上げたのが、ランサムウェア被害の詳細なレポートである「Ransomware Quarterly Reports」の定期発行だ。ランサムウェアへの対策と復旧支援を専門的に行ってきたCovewareの買収により実現した。「Covewareは、年間1000件ほどのインシデント対応を行ってきた企業であり、実際の被害の統計を取ることができるようになった」(熊澤氏)。

 同レポートによると、ランサムウェアへの感染後、犯罪者(脅迫者)に身代金を支払って解決した割合は低下している。これは、バックアップ製品の高度化により、自らリストアできるケースが増えているためだという。この分析を裏付けるかのように、犯罪者が顧客情報や機密情報を盗み出し、それを公開すると脅迫するケースでは、身代金支払いによる解決率は低下していないことも示されている。

ランサムウェア被害における身代金支払いによる解決率。全体では支払い率が低下しているが、機密情報窃取による脅迫では低下していない

 今年度、国内提供を開始するVeeam Cyber Secure Programも紹介した関連記事:脅迫者との交渉も代行、Veeamはランサムウェアの“事前・事後対策”まで踏み込む(。これはエンタープライズ向け「Veeam Data Platform Premium Edition」のオプションサービスとして提供される。

 同サービスには、被害発生前のセキュリティ評価やトレーニング、発生後のサイバー保険なども含まれるが、やはり大きな特徴は、Covewareの専門家がインシデント対応と復旧を支援/代行してくれる点だ。フォレンジックに基づいて攻撃グループの身元特定を行い、身代金支払いを行わずに暗号化されたデータの復号を実行したり、被害状況と“身代金の相場”に応じた犯罪者との交渉をしたりする場合もあるという。

 なお現時点では、Covewareチームの中心拠点は米国であり、日本に人員を配置しているわけではないという。ただし、日本の顧客窓口はVeeamのTAM(テクニカルアドバイザリーマネージャー)が務めるため、顧客は日本語でのやり取りが可能だ。「近い将来、日本にも人員を展開できるよう、体制づくりを進めている」(熊澤氏)。

 さらに、日本法人独自のプログラムとして、サイバー対策の啓発プログラムも開始する。3~4社のグループで実施する机上訓練(TTX:Table Top eXperience)、各社個別のワークショップ(CRW:Cyber Resilience Workshop)の2つを展開していくと話した。

日本でも提供を開始する「Veeam Cyber Secure Program(CSP)」

CSPでは、インシデント対応をVeeamのCovewareチームが全面的に支援する

 まとめとして、古舘氏が「Veeamのミッション」をあらためて説明した。

 「日本市場で確固たるリーダーになるという目標を挙げたが、われわれのそれ以上のミッションは、やはり『日本企業の事業継続をしっかり担保すること』、そして『日本をサイバーレジリエンスの強い国にしていくこと』だ。そのために、大企業から中小企業まで提案活動を進めていきたい」(古舘氏)

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