GeForce RTX 50シリーズまとめ 第27回

RTX 5070、RTX 4060 Ti、RTX 3060 Ti、RTX 2060 SUPERと比較

GeForce RTX 5060 Tiの16GB版を検証、“xx60 Tiの欠点”は克服できたのか？

　すでに速報記事でお伝えした通り、2025年4月16日22時より「GeForce RTX 5060 Ti」（以降、RTX 5060 Tiと略）の販売が解禁した。RTX 5060 TiのVRAM搭載量違いで2種類あり、16GB版（北米予想価格は429ドル）と8GB版（同379ドル）を展開する。4月16日午前中時点の情報だが、NVIDIAの公式発表による価格は「6万9800円より」とだけ掲示されている。

　つまり、これはRTX 5060 Tiの8GB版の価格であることを示しており、そこから16GB版は7万9800円あたりになると推察される。ただし、例によってこの設定で流通する製品はごく少数であり、大部分のAICパートナー製のビデオカードは8万円台半ばから後半がボリュームゾーンになると予想される。

　ちなみに、RTX 5060 Tiの上位に位置付けられるRTX 5070（VRAM 12GB）は現状11万円前後で流通している。そのため、RTX 5060 Tiの16GB版の実売価格と性能差次第ではあるが、買い手は多いに悩むことになるだろう。

注：本稿ではRTX 5060 Tiの16GB版を「RTX 5060 Ti 16GB」、8GB版を「RTX 5060 Ti 8GB」と表記する。また、単に「RTX 5060 Ti」とした場合は8GB版と16GB版の両方を含む。

　今回筆者は幸運にもRTX 5060 Ti 16GBを搭載したPalit製「GeForce RTX 5060 Ti Infinity 3 16GB」をお借りし、テストする機会に恵まれた（RTX 5060 Ti 8GBは今回のレビュープログラムには含まれていない）。

　例によって時間的制約が非常に限られていたため、テスト範囲を絞らざるを得なかったが、RTX 5070よりもVRAM搭載量が多いRTX 5060 Ti 16GBは果たしてどう立ち回るのか、旧世代GeForceとの比較を通じて検証してゆく。

　なお、ベンチマークは今回の前編と後日掲載予定の後編の2部構成となる。前編は基本的性能とAI＆クリエイティブ系アプリの検証、後編はゲーム検証を予定している。

今回レビュープログラムで貸与されたPalit製ビデオカード「GeForce RTX 5060 Ti Infinity 3 16GB」。スタンダードなトリプルファン構成のクーラーを搭載したモデルだ。RTX 5070 Tiレビューの時もPalit製のモデルだったが、それと比較すると重量がかなり軽い（実測値で1584g→712g）。ちなみに、RTX 5060 TiやRTX 5060にはFounders Editionは存在しない

カード裏面。カードの基板部分はMini-ITXマザーボードの奥行き程度の長さしかない。カード後部はすべて巨大なヒートシンクのためにある

補助電源コネクターはおなじみの8ピン×1仕様。12V-2x6でなければならないというルールはないようなので、ユーザーを選ばない8ピンか大電力供給に有利な12V-2x6にするかはメーカー次第だ

映像出力はDisplayPort 2.1b×3基に、HDMI 2.1b×1基という定番の構成。スッキリ2スロット厚な点が良い

この製品はNVIDIAの提唱するSFF Ready（関連記事）なカード。つまり、Mini-ITXベースの小型なPCケースに収めやすいコンパクトな設計である。ただし、全長は約290mmあるので、前後寸にだけは注意したい