公式スペックではワイヤレス充電で15W、有線で30W
あらためて充放電時に強制冷却ファンが回転しカラーのイルミネーションがきれいなICEMAG 2の基本スペックをざっと見てみよう。
ワイヤレス充電時は最大15W、付属のUSBケーブル接続では30Wの高速充電も可能だ。ユニークなところでは折りたたみ式のキックスタンドがなかなか便利。スマホをワイヤレス充電しながら動画を見たり、Bluetoothキーボードを接続して文書入力も可能だった。
筆者愛用のQi規格対応の「Nothing ear (2)」をICEMAG 2でワイアレス充電しながら、同時に付属のUSB Type-Cケーブルで「Bigme B751CカラーE-inkタブレット」を充電できた。またICEMAG 2をUSBケーブル経由で充電しながらGalaxy S24 UltraにQi充電をするパススルー充電も可能だった。
充電対象のQi対応機器が低電流のイヤフォンやスマートウォッチの中にはパワーバンク側のインテリジェント機能でシャットダウンされることもあるが、ICEMAG 2なら電源ボタンを3回押して「低電流モード」を選択すれば大丈夫だ。
最後にICEMAG 2のワイヤレス充電と、付属のUSBケーブルでの充電スピードの比較をしてた。いずれの充電もGalaxy S24 Ultraのバッテリー残量が10%になったときにICEMAG 2で充電を開始し、満充電までの時間をアプリのシンプルバッテリーグラフで比較した。
なんとQi充電では10%→100%までに要した充電時間は273分(4時間33分)。一方、付属のUSBケーブルによる充電時間はたったの67分(1時間7分)。約4倍の差となった。充電後のICEMAG 2のバッテリー残量はLEDインディケーターが2個点灯なので25~50%だった。ただし、iPhoneでやってみたら結果は違うのかもしれない。
「ケーブル接続の高速充電」対「ワイヤレス充電(Qi)」の差は大きすぎる。ワイヤレス充電の場合は、特にエネルギーの大半が熱となって無駄にしている印象だ。就寝前にICEMAG 2の上にスマホを置くだけで「朝までに充電できていれば良い」というケース以外、ワイヤレス充電のメリットはほとんど無さそうに感じてしまった。
MagSafe機能でICEMAG 2をスマホに固定して使いながら充電するというケースもあるが、その場合でも付属のUSBケーブルでの接続の方が妥当だろう。それでもスレート型であまり特徴の無い10000mAhクラスのパワーバンクが多い中で、基本を押さえたスペックに加えてユニークで魅力的なガジェット的要素を備えた製品だろう。

今回の衝動買い
・Sharge「パワーバンク ICEMAG 2」
・購入:Shargeダイレクト(https://sharge.com/ja/)
・価格:57.90ドル(本体:52.90ドル+送料:5ドル、日本円:8976円
T教授
日本IBMでThinkPadのブランド戦略や製品企画を担当。国立大芸術文化学部教授に転職するも1年で迷走。現在はパートタイマーで、熱中小学校 用務員。「他力創発」をエンジンとする「Thinking Power Project」の商品企画員であり、衝動買いの達人。

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