Radeon史上最大の出来栄えでは? AMD Radeon RX 9070 XT Steel Legend 16GBレビュー これで12万8800円前後はお買い得!
提供: ASRock
RX 7900 XTX Taichi OCを超える場面も
ゲーミングパフォーマンスはかなり優秀
それでは、RX 9070 XT Steel Legendのパフォーマンスを確認してみよう。なお、テスト環境として、CPUにはゲーミング用途で人気の高い「Ryzen 7 9800X3D」とAMD B850チップセットを搭載したASRock「B850 Steel Legend WiFi」を用意。電源はASRockの「SL-1000GW」と、Steel Legendシリーズでそろえていることも触れておきたい。その他のテスト環境は表のとおり。
テスト環境 | |
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CPU | AMD「Ryzen 7 9800X3D」(8コア/16スレッド、最大クロック5.2GHz) |
CPUクーラー | Cooler Master「MasterLiquid 240L Core ARGB」(簡易水冷、240mmラジエーター) |
マザーボード | ASRock「B850 Steel Legend WiFi」(AMD B850、ATX) |
メモリー | Crucial「DDR5 PRO 32GB」(16GB×2、DDR5-5600) |
ビデオカード | ASRock「AMD Radeon RX 9070 XT Steel Legend 16GB」 ASRock「AMD Radeon RX 7900 XTX Taichi White 24GB OC」 |
ストレージ | Crucial「T705 CT1000T705SSD3-JP」(2TB M.2 SSD、PCIe 5.0) |
電源ユニット | ASRock「SL-1000GW」(1000W、80PLUS Gold) |
OS | Microsoft「Windows 11 Pro」 |

ASRockの電源ユニット「SL-1000GW」。こちらもSteel Legendシリーズで、ケーブルも含め白色のモデルとなっている。同製品の詳細はレビューを参照してもらいたい
さて、ベンチマークツールとしては定番の「3DMark」(Version 2.31.8372)の結果から見ていこう。まず、DirectX 11世代の古いテストとなるのが「Fire Strike」だが、RX 9070 XT Steel LegendはRX 7900 XTX Taichi OCに6~10%ほど離されている。これは、RX 9070 XTについて、AMDがRX 7900 XTの下位に置かれると説明したとおりの結果となったと言えよう。
続いてDirectX 12のテストである「Time Spy」では、RX 9070 XT Steel Legendが意地を見せ、RX 7900 XTX Taichi OCとの差を2~3%まで詰めている。より描画負荷が大きいTime Spyで、RX 7900 XTX Taichi OCに迫る勢いを見せている点は立派と言えよう。
DirectX 12のテストでは世代が新しいテストとなる「Steel Nomad」では、とうとうRX 9070 XT Steel Legendが逆転を果たし、RX 7900 XTX Taichi OCに6%ほどの水を開けた。続いてレイトレーシングを使用するDirectX 12のテストである「Speed Way」では、RX 9070 XT Steel Legendが再びRX 7900 XTX Taichi OCに離されているが、それでも差を2%弱に留めている点は評価できよう。つまり、DirectX 12世代では、RX 9070 XT Steel Legendはかなり良好なパフォーマンスが期待できそうだ。
リアルタイムレイトレーシング性能を測る「Port Royal」では、RX 9070 XT Steel LegendがRX 7900 XTX Taichi OCに9%の差を付けた。RX 9070 XTでは、レイトレーシング処理を担う「Ray Accelerator」が第3世代へと進化し、それが奏功した結果と言えそうだ。
では、実際のゲームではどうなのか、「モンスターハンターワイルズ ベンチマーク」の結果に移ろう。ここでは「ウルトラプリセット」を適用したうえで、レイトレーシングの項目を「高」に変更し、ベンチマークを実行している。また、このベンチマークでは最小フレームレートの類は表示されないため、別途「CapFrameX」(Version 1.7.4)を使用し、ベンチマーク中の1パーセンタイルフレームレートを計測している。
RX 9070 XT Steel Legendは、RX 7900 XTX Taichi OCを2~6%引き離し、3840×2160ドットでもカプコンが指標で非常に快適に動作するとしているスコアー2万を超えている点は立派だ。また、1パーセンタイルフレームレートでは、RX 9070 XT Steel Legendは2560×1440ドット以下で常時60fpsを超え、3840×2160ドットでも40fpsを維持しているあたりを見ても、快適なゲームプレーが期待できる。
続いて「Call of Duty: Black Ops 6」では、「極限プリセット」を適用したうえでゲームに用意されたベンチマークモードを実行している。ここでは、RX 9070 XT Steel Legendは1920×1080ドットでRX 7900 XTX Taichi OCに、平均フレームレートで4%ほど、1パーセンタイルフレームレートで9%ほど、それぞれ引き離した。
しかし、解像度が高くなるにつれて追い付かれ、3840×2160ドットで逆転を許してしまっている。これは、RX 9070 XT Steel Legendのビデオメモリー容量が16GBであるのに対してRX 7900 XTX Taichi OCが24GBと、後者に分があることに加えて、RX 9070 XTのメモリーバス帯域幅は640MB/sとRX 7900 XTXの960GB/sからかなり規模が小さいことが要因と言えそうだ。つまり、高解像度のような描画負荷がかなり高い環境では、RX 7900 XTX Taichi OCに軍配が挙がるというわけだ。
さらに、「ファイナルファンタジーXIV: 黄金のレガシー ベンチマーク」の結果も見てみよう。スクウェア・エニックスが示す指標ではスコアーが1万5000以上で最高評価とされている。それを踏まえて結果を見ていくと、RX 9070 XT Steel Legendは2560×1440ドット以下の解像度であれば、1万5000以上のパフォーマンスを発揮している。
ただ、RX 7900 XTX Taichi OCには14~30%ほど引き離されてしまっており、このベンチマークにおいてはRX 9070 XT Steel Legendはあまり奮わない結果となっている。これは、RX 7900 XTXが登場してからかなり時間が経っており、このベンチマークに対する最適化が進んだためではないだろうか。そのため、RX 9070 XT Steel Legendも最適化が進めば、RX 7900 XTX Taichi OCとの差を詰めていくのではないだろうか。
最後にレースシムの「F1 24」のパフォーマンスをチェックしておこう。ここでは、「超高プリセット」を適用したうえで、ゲームに用意されたベンチマークモードを実行している。RX 9070 XT Steel Legendの平均フレームレートは、RX 7900 XTX Taichi OCに3~11%もの差を付けた。1パーセンタイルフレームレートでも、RX 9070 XT Steel LegendはRX 7900 XTX Taichi OCを5~13%ほど離している。
とくにRX 7900 XTX Taichi OCは、3840×2160ドットで1パーセンタイルフレームレートが60fpsを割ってしまっているのに対して、RX 9070 XT Steel Legendは60fpsを超えて見せている点は本製品のポテンシャルの高さがうかがえる。
価格は12万8800円前後
新世代を感じる高品質なモデル
以上のテスト結果からも分かるとおり、RX 9070 XT Steel Legendのゲームパフォーマンスは申し分のない出来だ。さすがに3840×2160ドットになるとRX 7900 XTX Taichi OCの後塵を拝す場面も見られるが、このあたりはAMDの主張どおり、RX 7900 XTの下位に順当に収まったと捉えるのが妥当だろう。
RX 9070 XT Steel Legendの価格は12万8800円前後とされており、RX 7900 XTX Taichi OCが18万9900円とされていたのと比べると、お買い得感はかなり高い。RDNA 4アーキテクチャーでは、進化したレイトレーシング性能に加えて、FSR 4によるフレームレートの向上も期待でき、このRX 9070 XT Steel Legendでいち早く新世代のパフォーマンスを体感してみてはいかがだろうか。きっと、新しいゲーム体験が得られるはずだ。