GeForce RTX 50シリーズまとめ 第21回

徒手空拳で挑むのは無謀だが、DLSS MFGとSmooth Motionで下克上

GeForce RTX 5070、ゲームでRTX 4090を超越する

「Marvel Rivals」

　Marvel Rivalsは当初、NVIDIA AppからDLSS MFGにオーバーライドするゲームだったが、直近のアップデートでゲーム内から直接設定できるようになった。

　画質は「最高」、DLSSとFSR 3は「クオリティー」に設定し、さらにフレーム生成とDLSS MFG 4xも有効化。訓練場で一定のコースを移動した際のフレームレートを計測した。

Marvel Rivals：1920x1080ドット時のフレームレート

Marvel Rivals：2560x1440ドット時のフレームレート

Marvel Rivals：3840x2160ドット時のフレームレート

　先のS.T.A.L.K.E.R. 2では、どの解像度でもRTX 5070はRTX 4090を上回る性能を出していたが、このMarvel Rivalsでは4Kになると逆転を許してしまう。

　RTX 4090が4Kで追い上げたように見えるが、RTX 5070 TiやRTX 5070が失速した（レイトレーシング設定が地味に重い）と考えられる。まあ、このゲームであればわざわざDLSS MFGを使わなくても、DLSS FGだけで快適に遊べるフレームレートが得られるので、実際のところはなんら問題ないわけだが……。

Marvel Rivals：ベンチマーク中におけるTotal Board Powerの平均値（左3つ。単位：W）、および10Wあたりのフレームレート（右3つ。単位：fps）

　TBPの傾向はほかのゲームと変わらず。DLSS MFGでは最大5つのニューラルネットワークが稼働することになるが、その状態でもRTX 4070 Tiより消費電力が下がっている。

「SILENT HILL 2」

　SILENT HILL 2では画質「最高」、レイトレーシングをオンに設定。DLSSとFSR 3は「クオリティー」、フレーム生成も有効化し、DLSS MFGへのオーバーライドはNVIDIA Appから有効化した。新ゲーム開始直後、下山〜最初のカットシーン直前までのコースを移動した際のフレームレートを計測した。

SILENT HILL 2：1920x1080ドット時のフレームレート

SILENT HILL 2：2560x1440ドット時のフレームレート

SILENT HILL 2：3840x2160ドット時のフレームレート

　SILENT HILL 2では、どの解像度設定でもRTX 5070はRTX 4090を上回るフレームレートが出せる。RTX 4070 Tiなどの前世代GeForceはもとより、Radeon勢と比べてみても、DLSS MFGを効かせたRTX 5070は強い。

　なお、フルHDでは最低フレームレートでRTX 5070 Tiに大差をつけられているが、これはメモリーバス幅が関係していると推測される。

SILENT HILL 2：ベンチマーク中におけるTBPの平均値（単位：W）、および10Wあたりのワットパフォーマンス（単位：fps）

　TBPの傾向は特にコメントするような点はない。

「Marvel’s Spider-Man 2」

　DLSS MFGはすさまじいパワーを与えてくれるが、RTX 5070のスペックそのものが足枷になるゲームもある。その一例として、Marvel’s Spider-Man 2があげられる。

　画質は「非常に高い」をベースに、レイトレーシングは「アルティメット」、DLSSとFSR 3は「クオリティー」に設定。フレーム生成とNVIDIA AppからDLSS MFGも有効化した。マップ内の一定のコースを移動した際のフレームレートを計測した。

Marvel’s Spider-Man 2：1920x1080ドット時のフレームレート

Marvel’s Spider-Man 2：2560x1440ドット時のフレームレート

Marvel’s Spider-Man 2：3840x2160ドット時のフレームレート

　フルHDではRTX 5070＋DLSS MFGの組み合わせの効果が絶大だが、WQHDになるとRTX 4090の平均フレームレートでだいぶ迫られ、最低フレームレートは負けてしまった。4KではRTX 5070の描画はカクカクどころか、フレーム生成のアラがハッキリと確認できるほどに悪化する。

　この理由はRTX 5070のVRAM搭載量（12GB）が原因である。フルHDならば問題はないが、WQHDではギリギリ、4Kではデータ量が多すぎてGPUがストール気味（描画が目に見えて遅くなる）になるのだ。

　格上のRTX 5070 TiはVRAMが16GBのため、そのような制約はないどころか、4KにおいてもRTX 4090を超えることができる。RTX 5070でこのゲームを4Kで快適に遊ぶにはもう少し画質を絞るべきだろう。

Marvel’s Spider-Man 2：ベンチマーク中におけるTBPの平均値（単位：W）、および10Wあたりのワットパフォーマンス（単位：fps）

　RTX 5070のTBPを解像度別にみると、フルHD→WQHDでやや上がっているのに4Kで急落。GPUの負荷が限界を大きく超えた時にこのような挙動になる。