三菱UFJ銀行などと組んでゼロから参入する方法
NTTドコモはもともとクレジットカード事業が強く、dカード全体の会員数は1800万人、そのうちdカードゴールドは1100万人で、最近になって年会費が2万9700円のdカードプラチナを始めたばかりだ。
クレジットカード事業が軸であったが、他社に追いつこうと、昨年にはマネックス証券を傘下に収め、さらにオリックス・クレジットを連結子会社としたのち、2025年1月には「ドコモ・ファイナンス」に社名変更する予定だ。
ただ、NTTドコモには金融サービスの中心となる「銀行」がないというのが最大の弱点となっている。2024年6月に社長に就任した前田義晃氏は「銀行業に参入したい」と様々なメディアとのインタビューで公言。しかし、11月7日の決算会見では「今年度中に目処をつけたいと申し上げたが、まだ報告できるレベルではない。焦っているが頑張って進めたい」と、現在進行中であることが明らかになった。
NTTドコモが銀行業に参入するには3つの方法が考えられる。
まず1つはゼロから新規参入するというパターンだ。
これはかつてKDDIが三菱UFJ銀行と組んで「じぶん銀行(現、auじぶん銀行)」を作ったという事例がある。
KDDIとして単独で銀行業に参入するにはノウハウがないということで、三菱UFJ銀行をパートナーに選んだ。
折しも、auじぶん銀行から三菱UFJ銀行の資本が抜けたという絶好のタイミングでもある。このコラムでも「三菱UFJ銀行とNTTドコモが手を組んで新規に銀行を立ち上げるのでは」という観測をしてみたが、KDDI関係者は「三菱UFJ銀行からはそんなつもりはないと聞いているが……」と語っていた。確かにKDDIと分かれた途端にライバルであるNTTドコモとタッグを組むというのは、あまりに節操がなさ過ぎる。銀行員が貸金庫の中身を盗むという、もはや誰を信じて良いのか分からない時代ではあるが「NTTドコモと三菱UFJ銀行で新銀行設立」は考えにくいのかも知れない。

この連載の記事
-
第263回
トピックス
「アクセシビリティは“人権”」アップルが40年間続ける取り組みとは -
第262回
トピックス
ソフトバンクとKDDIが“空の救助網” 雪山遭難、ドローンで発見 -
第261回
トピックス
スマホ5G“ミリ波”肩透かし 6Gは“センチメートル波”が鍵に -
第260回
トピックス
ドコモ苦戦 携帯3社、“値上げ”で明暗 -
第259回
トピックス
KDDI、通信品質で再び首位に ドコモとソフトバンクが不満「あの評価基準はおかしい」 -
第258回
トピックス
アドビ、AIで若年層開拓 “映える”画像を作りやすく -
第257回
トピックス
ドコモ経由の“NISAデビュー”増える マネックスか、SBIか、悩ましい選択に -
第256回
トピックス
KDDIドローン事業、9年目で軌道に乗る兆し 無人AIポート運用に成功 -
第255回
トピックス
楽天モバイル“値上げしない宣言”に他社が苦言 「自分たちでネットワークを構築しないくせに」 -
第254回
トピックス
クアルコム「Snapdragon」名称迷走 PC市場での認知施策が課題に -
第253回
iPhone
アップル新型「iPhone」全部比べた オススメはこれ - この連載の一覧へ











