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石川温のPCスマホニュース解説 第219回

「ドコモ銀行」どう実現? 住信SBIネット銀買収の観測も

2024年12月10日 07時00分更新

文● 石川温

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三菱UFJ銀行などと組んでゼロから参入する方法

 NTTドコモはもともとクレジットカード事業が強く、dカード全体の会員数は1800万人、そのうちdカードゴールドは1100万人で、最近になって年会費が2万9700円のdカードプラチナを始めたばかりだ。

 クレジットカード事業が軸であったが、他社に追いつこうと、昨年にはマネックス証券を傘下に収め、さらにオリックス・クレジットを連結子会社としたのち、2025年1月には「ドコモ・ファイナンス」に社名変更する予定だ。

 ただ、NTTドコモには金融サービスの中心となる「銀行」がないというのが最大の弱点となっている。2024年6月に社長に就任した前田義晃氏は「銀行業に参入したい」と様々なメディアとのインタビューで公言。しかし、11月7日の決算会見では「今年度中に目処をつけたいと申し上げたが、まだ報告できるレベルではない。焦っているが頑張って進めたい」と、現在進行中であることが明らかになった。

 NTTドコモが銀行業に参入するには3つの方法が考えられる。

 まず1つはゼロから新規参入するというパターンだ。

 これはかつてKDDIが三菱UFJ銀行と組んで「じぶん銀行(現、auじぶん銀行)」を作ったという事例がある。

 KDDIとして単独で銀行業に参入するにはノウハウがないということで、三菱UFJ銀行をパートナーに選んだ。

 折しも、auじぶん銀行から三菱UFJ銀行の資本が抜けたという絶好のタイミングでもある。このコラムでも「三菱UFJ銀行とNTTドコモが手を組んで新規に銀行を立ち上げるのでは」という観測をしてみたが、KDDI関係者は「三菱UFJ銀行からはそんなつもりはないと聞いているが……」と語っていた。確かにKDDIと分かれた途端にライバルであるNTTドコモとタッグを組むというのは、あまりに節操がなさ過ぎる。銀行員が貸金庫の中身を盗むという、もはや誰を信じて良いのか分からない時代ではあるが「NTTドコモと三菱UFJ銀行で新銀行設立」は考えにくいのかも知れない。

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