リモートアクセスサーバー機能は
ほぼXeonと肩を並べる性能
なお、第5世代EPYCは速度向上だけでなく容量も倍増した。これは256GB DIMMを公式にサポートしたことによるもので、最大でソケットあたり6TBとなる。ただしこれは2 DIMM/chの場合の数字で、1 DIMM/chなら3TBとなる。これに関しては、「速度を取るか、容量を取るか」になる。とはいえ3TB/ソケットであってもGenoa世代の最大容量と変わらないわけで、このあたりは大幅な強化としていいだろう。
上の画像は1Pおよび2Pにおける構成で、これは既存のSP5プラットフォームと互換性がある以上大きくは変更がない。2Pの方は、基本は4対のインフィニティ・ファブリックでプロセッサー間を接続する形になるが、I/Oを重視したい構成の場合は3対に減らし、その分PCI Expressレーンをx32利用可能とすることも可能だ(これはGenoa世代から変わらず)。
このあたりはSP5を利用するので抜本的に変えることは不可能だし、まだPCIe Gen6の登場には時間がかかることを考えれば変える必要もないと判断したものと思われる。
ただ注意点としては、一部SKUがTDP 500Wの設定になっていることだ。Gen 4 EPYCの世代は最大でも400W(EPYC 9684X)で、当初発表されたSKUは360W止まりだったから、一部のマザーボードは供給能力が足りなくなる可能性がある(たしかPlatform Guideでは当初は400W推奨であったと記憶している)。
幸いにも実際にSKUを確認すると、TDP 500Wが設定されているのはZen 5c 192コアのEPYC 9965とZen 5 128コアのEPYC 9755というハイエンド製品のみで、それ以外はすべて400W以下に収まっているためアップグレードに支障はほとんどないだろう。
さて、RAS(Remote Access Server)機能のまとめが下の画像である。Reliability(信頼性)とAvailability(可用性)に関してはGenoa世代から変更はないが、Serviceability(保守性)に関してはOut of band error management(対象となる機器が稼働していなくてもエラー管理が可能:CPUとは別にシステム管理用の機構が独立して稼働しており、これを経由してシステムのエラー管理が可能になる)と、DRAM runtime post-package repair(PPR)のサポートが新たに追加された。
PPRはDRAMセルに故障が発生した場合、そのセルを含むRowを、冗長Rowと置き換えることで対処する方法である、ちなみにPPRには電源投入時に冗長セルに入れ替える(Hard-PPR)方式と、ソフトリセット時に冗長セルにマッピングし直す(Soft-PPR)方式があり、どちらをサポートしているのかは不明である。
性能についてはいくつかのスライドは示されているが、比較対象が5th Gen Intel Xeon、つまりEmerald RapidsでありXeon 6との比較は示されなかったので今回は割愛する。本来の競合製品はXeon 6であるが、現状はEコアベースのSierra Forestのみが出荷されており、Turinとの比較にはならない。
発表こそあったものの、未だに出荷されていないGranite RapidsベースのXeon 6が実際に市場に登場して、実アプリケーションベンチの結果などが出てくるまでお預けといったところだ。
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