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いま聴きたいオーディオ! 最新ポータブル&ハイエンド事情を知る 第26回

ドイツの老舗beyerdynamicが放つ、スタジオ育ちのハイエンドゲーミングヘッドホン「MMX 300 PRO」を試す (2/3)

2024年09月06日 13時00分更新

文● ASCII

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新世代ドライバーをゲーム用にカスタマイズした印象的なサウンド

 MMX 300 PROは、MMX300シリーズとしては3機種目。既発売の「MMX 300 Gen2」の上位モデルと言えそうだ。beyerdynamicの定番といえば、密閉型スタジオモニターの「DT 770 PRO」が思い浮かぶ。

 DT 770 PROにはインピーダンスが異なる複数のバージョンがあるが、MMX 300(Gen2)は32Ω版をベースにしたスペックだった。新しいMMX 300 PROは「STELLAR.45」ドライバーを搭載し、インピーダンスが48Ωにアップ、高域が35kHzから40kHzまでに伸長し、サポートする周波数帯域もより広くなっている。

イヤーパッドは耳を覆うタイプ、空間が広く取られている

イヤーパッドの裏側には独特のパターンがある

 STELLAR.45は45mm口径の新世代ドライバーで、例えばアニバーサリーモデルの「DT 770 PRO X Limited Edition」、開放型の「DT 900 PRO X」などが採用している。オーディオインターフェースなどスタジオに置くような機器はもちろんだが、パソコン、タブレット、スマホと接続した場合もベストなパフォーマンスが出せるチューニングになっている。現代のクリエイティブはプロ機材をスタジオにこもって使うだけでは済まない面がある。ある意味、時代の変化に合わせて進化したドライバーと言ってもいいのかもしれない。

アーム部分のカバーにエンボスで設けられたブランドロゴ

 こうしたbeyerdynamicの特徴をゲーミング用に提供しているMMX 300 PRO/MMX 300だが、どちらの機種も、電気・物理的な特性が同一のモニターヘッドホンはなく、ともにゲーミング向けにカスタマイズしているとうたっている。

 試しに、STELLAR.45を搭載した手持ちの密閉型ヘッドホンDT 770 PRO X Limited Editionと聴き比べてみたが、傾向に共通性はあるのだが、より低域が強めで、全体のメリハリ感も上がる印象だ。要は少し派手目の音調ということになる。ゲームといっても多岐に渡るが、アクションゲームの音を聞く用途だけでなく、RPGなどで映像やストーリーの迫力ある音を楽しむ用途にも向いていそうだ。

右がDT 770 PRO X Limited Edition

 実際、音楽よりは映像コンテンツにマッチしそうな音だが、映画やゲームのストーリーであれば、これが大いにプラスに働くという点は強調しておきたい。効果音などが印象的に聞こえ、BGMも感情に働きかける、広がりとダイナミクスを重視した鳴りになる。こうした音に包まれる感じ、感情を揺さぶられる感じを味わえるのは大きな魅力だ。また、セリフの聞こえがDT 770 PRO X Limited Editionよりも良く、ストーリーなどを把握しやすい。声は背景に浮き立つ印象。BGMや効果音によってその聞こえが阻害されないのが素晴らしい。 

 なお、MMX 300 PROとMMX 300 Gen2の差分としては、ドライバー以外にもヘッドバンド部分のデザインやハウジングのデザインなど細かな部分が変わっている。重量は314gと20gほど軽量化した。この点もプラスと考えていい要素だろう。

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