このページの本文へ

前へ 1 2 3 4 5 6 次へ

AIは漫画家の玉手箱なのか……

実録:AIで描く漫画の実際 ~AIで今風の手描きっぽい漫画を作ってみる

2024年05月29日 13時00分更新

文● 野火城 編集●ASCII

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

今回の全14Pの製作時間

 画風調整で試行錯誤したため、またかなり時間がかかっています。ネームを含めない、AIでの原稿製作時間だけで約5日ほどです。1日3Pくらいの計算ですね。結局前回と同じくらいでした。

 試行錯誤+カラーを含めてこれなので、次も同じフローで漫画を作ってくれと頼まれたなら、もっと早くできるでしょう。カラーを含めるのであればおそらく手描きより速く、クオリティも上げられます。最近のSDXLモデルは性能が上がっており、実用に耐えうる手応えがあります。

前回から認識がバージョンアップした事

・白黒漫画もいけない事はない
 と言っても小さいコマで線が細かくなり過ぎるなど、まだまだ課題は多いですが、AIで手描き風にしたい場合は白黒の方が処理がしやすかったです。手描き風にこだわらないならカラーの方が速いかもしれません。

・コントロールネットも場合によっては有用
 SDXLのコントロールネット開発が活発化しており、線画から影のみ作ってくれるなど、使用用途が広がってきています。自分も今回、線画に色を塗ったり、特定のポーズを作るのに使いました。

 特に漫画5P・2コマ目のチンチロリンの絵はDALL・E3でも出ず、いらすと屋さんを参考に下絵を描いてコントロールネットに入れ、何度も生成してなんとか形にしました。こういうAIが苦手な分野を生成する時、コントロールネットと下絵は必須ですね。

次回予告

 さて、今回の作業フローを踏襲すれば、次回はもっと速度を上げられるわけですが…これはあくまで「AI漫画実験」です。毎回同じ事をしても面白くありません。

 次はさらににハードルを上げて、「AIで少女漫画が作れるか」に挑戦します。

 今回のラストの展開から予想はできましたよね! 自分に少女漫画のネームが描けるのか謎ですが、そちらも頑張ります。

 次回もお楽しみに!!

野火城

 アナログ時代から漫画を描いてきたクリエイター。漫画の補助としてAIをどう使えるか実験中。X(Twitter)で生成AIを使用した漫画「AIずきん」を公開し、3万件を超える「いいね」が集まる。

AI昔ばなし」Kindle版発売中!

前へ 1 2 3 4 5 6 次へ

カテゴリートップへ

ピックアップ