安さには裏がありますね
中国乗り継ぎの飛行機で帰国が危ぶまれる事態に!? GWに体験したOTA経由の格安航空券トラブルとは
2024年05月08日 07時30分更新
特定の条件を満たせばビザ免除で中国に入国できる
「乗り継ぎビザ免除制度」について
現在、中国へ入国する際にはビザが必要です。以前に本連載の記事(「中国・深センへ香港空港からフェリーで入国&中国新幹線で出国してみた」)でもお伝えしましたが、深センのように"到着時にビザを取得できるケース"や、海南島での入境のように"特別にビザが不要"というケースはあるものの、基本的には、日本で事前にビザを取得してから中国へ入国する必要があります。
とはいえ、数時間での乗り継ぎのためにビザを取得するのは、手間も費用もかかって面倒です。そこで、中国乗り継ぎで第三国へと旅立つ場合に限り、「乗り継ぎビザ免除制度」が用意されています。
ただし、この乗り継ぎビザ免除を利用するためには、ふたつの条件をクリアする必要があります。ひとつは、上にも記したとおり第三国へと抜ける乗り継ぎである場合。例えば、日本の羽田空港から出発して中国・上海の上海浦東国際空港に到着したとします。その後、上海から日本以外の国や地域(例えば韓国のソウルや台湾の台北など)へのフライトで移動すれば、この条件を満たしていることになります。ちなみに香港やマカオは、第三国としての対象となります。
ちなみに、日本へ戻るには必ず第三国を経由した後で、ということになりますので、羽田から来た人が上海を経由し、そのまま羽田以外の日本の空港へと移動するというルートは、日本と中国の往復になるため利用できません。
A国→中国→A国 ビザが必要
A国→中国→B国→A国 ビザが免除
ふたつめの条件は、乗り継ぎの際に中国へ入国をしないと乗り継げないケースの場合。一般的な海外旅行での乗り継ぎの場合、預けた荷物を乗り継ぎ時にピックアップしたり、到着時にターミナルを移動したりといったことはあまりありませんし、現地の制限エリア内で搭乗手続ができる場合などでは、わざわざ入国する必要がありません。預けた荷物を受け取って再度チェックインし直す必要があったり、空港内の移動でどうしても入国が必要となってしまう場合にのみ、「乗り継ぎビザ免除制度」が有効になります。入国する必要がない人をわざわざ入国させないというわけです。
乗り継ぎビザ免除制度
(1)24時間乗り継ぎビザ免除
というわけで中国経由で第三国へと乗り継ぎをする際、入国する必要がある場合のみ、乗り継ぎビザ免除制度が利用できます。ですが、この乗り継ぎビザ免除制度も「24時間乗り継ぎビザ免除」と「72/144時間乗り継ぎビザ免除」の2種類があり、さらに複雑です。
「24時間乗り継ぎビザ免除」は、中国に到着してビザ免除を申請後、24時間以内に第三国へと出国する場合に利用できます。基本的には国際線が到着する中国の空港で利用可能です。メリットとしては中国国内での移動に制限がなく、例えば日本から中国・北京に到着し、北京から国内線で上海へと移動したのち、さらに第三国へと飛び立つといったフライトでも利用できます。
乗り継ぎビザ免除制度
(2)72/144時間乗り継ぎビザ免除
いっぽう「72/144時間乗り継ぎビザ免除」は、中国に到着しビザ免除を申請後、72時間(3日間)もしくは144時間(6日間)まで中国に滞在して第三国へと出国する場合に利用可能です。期間以外で大きく違うのは、利用できる空港が限られていることと、中国内で移動できるエリアが限定されていることがあります。
利用できる空港は北京首都国際空港、北京大興国際空港、上海虹橋国際空港、上海浦東国際空港、深セン宝安国際空港など。日本発着便が利用する空港は基本的に対象となっています。ちなみにこれらの空港は144時間の滞在が可能な空港。長沙黄花国際空港と桂林両江国際空港、ハルビン太平国際空港の3つは72時間までの滞在が可能となっています。
移動できるエリアは、北京の空港なら北京市、天津市、河北省。上海の空港なら上海市、江蘇省、浙江省。深センの空港なら広東省、といった具合に、その空港周辺のエリアとなっています。そのため、「24時間乗り継ぎビザ免除」のように、北京に到着して上海から出国というルートでは利用できません。移動可能な同じエリア内の空港から出国する必要があります。
そのかわり、最長で144時間(6日間)まではビザ免除で中国に滞在できるので、事前にビザを取得しなくても、現地で商談や観光が可能な制度となっています。
(次ページ:出入国申請カウンターで緊張する旅人たち)
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