ヘリテージカーの展示・販売だけでなく、アートや音楽など多趣味なクルマ好きが集うイベント「オートモビル・カウンシル2024」が、4月12~14日までの3日間、幕張メッセ(千葉県)で行なわれました。今回で9回目の開催を迎え、過去最多の113ブースが出展した本イベントの様子をレポートします。
セナも乗った懐かしのF1マシンがお出迎え
日本では「音速の貴公子」として親しまれたアイルトン・セナが夭逝して、今年で30年目を迎えます。そこで主催者テーマ展示として、「アイルトン・セナ没後30年 特別企画 駆け抜けた天才の記憶」が会場中央で行なわれました。会場には彼が操った3台のF1マシンとレーシングスーツやヘルメット、そして1台のスポーツカーが展示されました。
1985年、F1デビュー2年目のシーズンのセナに初優勝をもたらしたマシンです。第2戦ポルトガルグランプリで、自身初のポールポジションを獲得すると、雨の決勝レースでも3位以下を周回遅れにする圧倒的勝利を達成。「雨のセナ」の異名を最初にもたらした1台です。
ライバルであったアラン・プロストが、フェラーリに移籍した1990年。セナ・プロ対決は、そのままマクラーレン対フェラーリという図式にもなりました。熱いシーズンを戦い、迎えた秋の鈴鹿決戦。チャンピオン争いがかかった両雄は、スタート直後の1コーナーで接触。この瞬間にセナにとって2度目となるワールドチャンピオンが決まりました。
前年までのV型10気筒エンジンからV型12気筒エンジンにチェンジ。最高出力は735PSを発生したと言われています。第2戦のブラジルグランプリでは終盤にギアボックストラブルに見舞われ、6速のみで走行し、母国初優勝を飾りました。この年もワールドチャンピオンを獲得しますが、それがセナにとって最後のワールドタイトルとなりました。
もともと軽量なオールアルミボディーのNSXを、さらに120kg軽量化し、1230kgにまでダイエットした1台。Honda F1第二期のラストイヤーとなる92年、日本グランプリ終了後にセナが開発中のNSX-Rを鈴鹿サーキットで試乗。数周にわたってドライブし、ピットに戻り発した言葉が「Comfort!(快適)」だったという逸話があります。