「24アプリで月3800時間を削減」、自社開発した簡単データ分析アプリをSnowflake説明会で紹介
NTTドコモ、Streamlit利用の“ポチポチ分析アプリ”開発で社内データ活用を促進
2024年03月04日 10時00分更新
ドコモが直面した、全社データ活用をめぐる「理想と現実」のギャップ
続いて登壇したNTTドコモ 鈴木氏は、同社グループがデータ活用の推進に取り組む背景から説明した。
NTTドコモが持つdポイント会員データ基盤には、9900万会員の顧客属性、店舗における決済情報などリアルワールドでの行動、コンテンツ利用履歴などネットでの行動といった多種多様なデータが、会員IDにひも付く形で蓄積されている。
ドコモグループとして目指すのは、こうした多角的なデータを通じて一人ひとりの顧客(会員)に対する「解像度の高い」理解を実現し、あらゆる役職、あらゆる業務における「価値創出」につなげる、そうしたデータ活用の姿だという。
鈴木氏が率いるデータプラットフォーム部は、こうしたデータ活用環境を実現するために、データ基盤整備やツール導入といったハード面の取り組みから、事業部門におけるデータ活用支援や定着支援、社内のベストプラクティス収集と展開、人材育成プログラムの運営といったソフト面の取り組みまでを手がけている。2021年に開始したデータ活用人材育成プログラム「DATA X Camp(データクロスキャンプ)」は、現在までにおよそ2400名が修了している。
ただし、データ活用を全社的に定着させていくうえではまだまだ“壁”、すなわち課題があるという。これまでのツール環境では、ビジネスのスピード感に追従すること、ビジネスアクションにつながる高度な分析が行えること、あらゆる業務現場でニーズに即した活用ができること、こうした「理想像」と現実にはギャップがあると語る。
「現場(ビジネス部門)の声を聞いてみると、たしかに会員IDにひも付いたさまざまなデータはあるが、それを真に(ビジネス価値のあるかたちで)活用しようとすると、いろいろなデータをつなげて、それを機械学習で分析して――と、とても自分ではやりきれない。そこで専門家(データ部門)に依頼をするが、専門家のところには依頼が殺到していて、データ抽出までに2週間もかかってしまう。われわれも(ビジネスユーザー自身で使えそうな)ツールを用意してみたが、使い方が難しいとなかなか活用は広がらない。そうしたギャップがあった」(NTTドコモ 鈴木氏)
ちなみに、この“ギャップ”を軽減しようと、データ部門が抽出や分析を行ったプログラムをビジネス部門側に提供し、その後の試行錯誤はビジネスユーザー自身でもできるようにする取り組みも行ってみたが、結局はまた別のエンジニアに依頼が回ることになり、うまくいかなかったという。