イベント検知におけるエラーメッセージ監視と対応で98%の精度を実現
みずほFGと日本IBM、生成AIによるシステム運用の実証実験 2024年度には本番環境適用へ
2024年02月02日 13時30分更新
みずほフィナンシャルグループ(みずほFG)と日本IBMは、2024年2月1日、みずほのシステム運用における品質向上と効率化を目的に生成AIを活用する実証実験を、2023年8月から3ヶ月間、共同で実施したことを発表した。
社会インフラでもある銀行システムの運用は、正確性および不具合発生時の早期復旧が求められる。従来の手法では、エラー検知時には複数パターンのメッセージを受け取ることになり、障害の規模が大きい場合にはメッセージ量が増加、原因の特定から復旧までに時間を要していたという。
そこで両社は、IBM watsonxの基盤モデルを活用し、エラー検知の効率化に向けた実証実験を実施。
インシデント対応で誤りが発生しそうなパターンを生成AIに追加し、イベント検知における一連の運用を支援するアプリと、watsonxの基盤モデルを連携させ、イベント検知におけるエラーメッセージの監視と対応において98%の精度を実現した。これにより、復旧までの最短手順を案内することが可能となり、復旧スピードの向上が期待できるという。
さらに、watsonxを利用することで、可用性・機密性の確保が必要なオンプレミスでの稼働や、現場担当者による監視・運用メニューの柔軟な設定変更が可能となっている。
両社は今後、watsonxの基盤モデルを活用したイベント検知と対応を拡大し、本番環境への適用を2024年度に実施する予定。また、生成AIを活用したインシデント管理と障害分析高度化にも取り組み、運用の更なる効率化・高度化を進めていく。