ソニーのメタバース事業には陰りも
一方、Epic Games以外のメタバース事業は難しい部分も出てきています。
2023年12月には、ソニーのファーストパーティのノーティードックが「The Last Of Us Online」の開発を凍結するという発表がありました。同社は「アンチャーテッド」シリーズなど高い評価を獲得してきた開発スタジオです。発表によると、マルチプレイの開発にはスタジオの全リソースを必要とし、シングルゲームの開発に深刻な影響を与えるため、どちらかの道を選ぶ必要があったと発表を行っています。元々、マルチプレイゲームに強い開発会社ではなかったこともあり、シングルゲームの開発に集中するという決断をしたようです。
ソニーは2022年の経営方針説明会時、メタバース事業にあたるライブサービスゲームに力を入れるとしました。2023年には「2026年4月までに12本をライブサービスで当てる」と明らかにしていたのですが、そのうち6本が無期限期になった形です。
ソニーはライブゲームサービス強化のために、MMOシューティングゲームの「Destiny2」を開発・運営するバンジーを2022年7月に36億ドル(当時の相場で4100億円程度)に買収していました。ソニーはフォートナイトのユーザー数と高収益に驚き、プレイステーション向けの独占タイトルとして、安定収益化となりうる独自のゲーム展開を目指していました。しかし、バンジーは拡張コンテンツの「Destiny 2: Lightfall」が振るわなかったことから、11月には従業員の8%に当たる100名をリストラしたと報じられており、買収後に期待したほどの成果をあげられないでいます。
これでわかるのは、やはりMMORPGのようなオンラインゲームにすると一気にハードルが上がるので大変だということですね。ちょっとノウハウをもらったぐらいでは難しい。また、MMOスタイルのオンラインゲームは、フリーミアムモデルのケースが多い一方で、開発に必要なものが多いので、初期投資のコストが上がりがちで、回収できるかも不透明な部分があるので、この辺りはやっぱりバランスが難しいところですよね。
レゴ フォートナイトも、ゲームシステムはほぼマインクラフトのコピーと言っていい内容。元々のフォートナイトが、「PUBG: BATTLEGROUNDS」のクローンとして開発展開したことで成功したことは有名な話ですが、ベースの技術を持っている企業が、レゴのようなわかりやすいIPと結びつくと強いというのはあらためて感じます。ただ、フリーミアムモデルでやっているわけですから、長期間にわたり多くの収益を出せるかどうかは、まだまだ今後の動向を見る必要はありそうですね。
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