1000憶パラメーターの大規模モデルの開発も開始
また、NECでは、1000億パラメーターの大規模モデルの開発を開始していることも明らかにした。
研究開発レべルとしながらも、NECの軽量LLMを積み重ねて、スケールアップすることで、1000億パラメータークラスのLLMを開発することができるという。
さらに、NECが持つ専門AIや業種特化型LLM、他社LLMとも連携することで、知識を拡張するほか、小型LLMをエッジに搭載したり、エッドとクラウドと連携させた分散配置および連携利用を可能にする計画も示す。LLMのサイズとデータのバランスを模索し、試行錯誤しながら、顧客ニーズに最適なLLM開発に挑んでいることがわかる。
また、マルチモーダルAIにも取り組んでおり、NECが持つ音声認識や画像認識、顔認識、センシング技術をLLMに融合。たとえば、映像をテキスト化できるNEC独自の映像認識AIを活用し、テキスト化された文字群をLLMによって意味がある情報に変換して文章化。実世界の状況を把握しやすくできるという。これにより、監視カメラの膨大な映像から、なぜ事故が起きたのかといったことを把握し、文章にまとめてくれるといった使い方ができる。
NEC 執行役 Corporate EVP兼CTOの西原基夫氏は、「入力データやタスクに応じて、柔軟にモデルを組み合わせ、新たなAIを創り出す新アーキテクチャを開発中である」と述べた。
ここでも自社内にAIスーパーコンピュータを持つことにより、開発に柔軟性を持たせたり、迅速性を実現したりといった成果が感じられる。
NECの吉崎CDOは、「生成AIの世界的な潮流は、ファウンデーションモデルや、チップなどのハードウェアに目が行きがちだが、NECが大切にしているのは、その上にある、どう使うかという点になる。cotomiは、あらゆる業界や業種に対応し、あらゆる製品に搭載されることになる。そして、cotomiによって、個別SIモデルから大きくトランスフォーメーションし、日本の環境にあわせたプラットフォームビジネスによる新たなバリューを提供していくことにも挑みたい」とする。
cotomiによるNEC独自の生成AIと、それを支えるAIスーパーコンピュータの存在は、NECにとって、ビジネスモデルの変革にもつながる、ゲームチェンジを促す存在になりそうだ。

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