このスマホ、ホントに買い? 話題のスマホ徹底レビュー 第459回
山根博士のグロスマレビュー
100倍望遠も夜景も実用的な「vivo X100 Pro」は2023年最強のカメラスマホ!
2024年01月03日 15時00分更新
日本未上陸のvivoは高性能なカメラフォン「Xシリーズ」を海外で展開している。2023年11月に発売された「X100 Pro」はカールツァイスとコラボした高性能カメラ、自社開発の画像処理チップ「V3」、そしてメインカメラにはソニーの1インチセンサーを搭載しており、その性能は2023年最高という評価も受けている。
◆AI処理に優れたDimensity 9300搭載のハイエンドモデル
X100 Proの外観から見ていこう。ディスプレーは6.78型(2800×1260ドット)のLTPO AMOLEDで、120Hz駆動と1億色表示に対応している。画面輝度は3000nitsとかなり明るく、屋外での視野性も高い。側面の角は丸みをつけたエッジ形状だ。フロントカメラは上部中央にパンチホール式の3200万画素を内蔵する。
本体カラーはStartrail Blue、Asteroid Black、Moonlight White、Sunset Orangeの4色。今回レビューするのはSunset Orangeで、このモデルだけヴィーガンレザー仕上げとなっている。
カメラは、最近の中華系カメラフォンで多くのモデルが採用している円形のバンプを中央に配置したデザインとなっており、5000万画素を3つ搭載している。
本体サイズは縦横が約164.05×75.28mmで、厚さはSunset Orangeが9.05mm、そのほかのカラーは8.9mm。重量はSunset Orangeのみ221g、ほかのカラーは225gだ。大きさと重さは最近のスマートフォンとしては一般的といったところ。カメラバンプのでっぱりは2段になっており、下段側はローレット加工を入れてアナログカメラ風を表現している。
本体右側面の音量調整ボタン、電源ボタン、本体下部のnano SIMカードスロット、USB Type-C端子など標準的なインターフェースを搭載。バッテリーは5400mAhと一般的なモデルよりやや容量が多く、100Wの急速充電に対応。50%の充電に要する時間は12分とのこと。また無線充電も50Wと高速だ。
チップセットはMediaTekのDimensity 9300を世界初搭載する。一般的なチップセットは3種類のCPUセット、すなわちBig-Middle-Littleを組み合わせて動作させることで、処理に応じて最適なパフォーマンスと電力消費の効率化を図っている。それに対しDimensity 9300は、CPUをBig-Middleだけにすることで性能を強化、クアルコムのSnapdragon 8 Gen 3にも劣らぬ性能を持つ。また、AI処理性能も大きく高めている。スマートフォンとしての使用感は、あらゆる操作でストレスなく快適に動作すると感じられた。
今回のテストモデルはメインメモリー16GB、ストレージ512GBモデル。ストレージから最大16GBを仮想的に使うことで、メモリー最大32GBを利用できる。なお、この設定はデフォルトでONになっており、購入直後から広大なメモリー空間を利用できる。また中国モデルのため、OSはvivo独自開発のOriginOS 4を搭載、ベースはAndroid 14となる。
ベンチマークはAnTuTuで測定、スコアは素晴らしく200万を軽くオーバーした。一方で測定中の本体の発熱がやや気になった。
◆専用チップで最高のカメラ性能を実現
X100 Proが搭載する3つの5000万画素カメラは、広角が1インチ f/1.75、超広角が1/2.76インチ f/2.0、望遠は4.3倍で1/2インチ f/2.5という構成。広角と望遠は光学手振れ補正を搭載する。レンズには、ツァイスのT*(ティースター)コーティングに加え、望遠カメラにはツァイスAPOレンズを採用している。画像処理には自社開発のV3チップを搭載しており、NPUとISPを内蔵。4Kでのシネマティック撮影や夜景撮影処理を強化している。
カメラのUIはvivoシリーズ独自のもので、モードはスナップショット、夜間、ポートレート、写真、動画、映画人像、もっと見るの7つ。写真モードでは画面上部の「ZEISS」ロゴをタップすることで、ビビッド、質感、ZEISSナチュラルの3つのカラーモードを選択できる。
写真の倍率は0.6、1、2、4.3、10をワンタッチで選べるほか、最大100倍のデジタル望遠に対応。よく使う設定は、画面右上の二重の六角形アイコンをタップしてクイック設定パネルを表示できる。
3つの高画質なカメラを搭載することで、夜景モードでも0.6倍から100倍までに対応する。ポートレート撮影では倍率ではなく、レンズパッケージとしてボケ味も組み合わせた24mm 風景、35mm ストリート、50mm ナチュラル、50mm クラシカルなどのレンズパッケージを選択可能。さらにツァイスの歴代名レンズのボケを、AIでシミュレーションするボケのパッケージも利用できる。
動画は4Kが60fpsまで、8Kは30fpsでの録画が可能。望遠は最大10倍までとなる。もっと見るのモードにはプロモードに加え、星空撮影やスーパームーンなどの特殊撮影モードも搭載されている。写真へのウォーターマークはツァイスボーダーなど複数を提供、動画にも文字透かしを入れることが可能だ。
これだけ高性能なカメラを搭載することから、カメラの周辺機器を展開しているSmallRigと協業して、純正のアクショングリップも中国では別売されている。着脱式のBluetoothリモコンを搭載し、90度付け替えることで自由なスタイルで撮影できるX100 Pro用ケースとグリップがセットになっているアイテムだ。
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