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超伝導量子コンピューター国産3号機のクラウドサービスが開始

2023年12月21日 06時31分更新

文● MIT Technology Review Japan

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大阪大学、理化学研究所(理研)、産業技術総合研究所などの共同研究チームは2023年12月22日に、国産3号機となる超伝導量子コンピューターのクラウドサービスを開始する。利用者は当面の間、現在42機関が参画する「量子ソフトウェアコンソーシアム」のグループワークに参加する受講者に限定し、17~42マイクロ秒のコヒーレンス時間を持つ相互接続した8量子ビット分を使って小規模な既存アルゴリズムの試験などから始める。

大阪大学、理化学研究所(理研)、産業技術総合研究所などの共同研究チームは2023年12月22日に、国産3号機となる超伝導量子コンピューターのクラウドサービスを開始する。利用者は当面の間、現在42機関が参画する「量子ソフトウェアコンソーシアム」のグループワークに参加する受講者に限定し、17~42マイクロ秒のコヒーレンス時間を持つ相互接続した8量子ビット分を使って小規模な既存アルゴリズムの試験などから始める。 今回の超伝導量子コンピューター国産3号機では、理研から提供された64量子ビットチップを用いている。これは2023年3月27日にクラウド公開された理研の超伝導量子コンピューター初号機のチップと同じ設計で製造されたものである。同3号機はまた、初号機で海外製の部品が使われていた箇所をできるだけ国産部品に置き換えた「テストベッド」としての役割を果たしており、低雑音電源、低温増幅器、磁気シールドといった冷凍機以外の多くの部品を置き換えても十分高い量子ビット性能を引き出せることを確認した。 量子ビットを制御するためにマイクロ波信号を送受信する制御装置の設計・開発は、阪大とイーツリーズ・ジャパンが担当。ユーザーが作成したプログラムを実際の量子コンピューターで実行するための変換処理(トランスパイラ)、ユーザー認証やジョブスケジューリング、実行結果を確認するインタフェースなど、量子コンピューターをクラウドサービスとして提供するのに必要なソフトウェアを共同研究チームが開発した。 今回のクラウドサービスは大きく分けて、(1)ユーザーのコンピューターでプログラミングをするフロントエンド層、(2)ユーザー認証をしてユーザーから量子計算ジョブを受け付けてジョブ管理などを実行するクラウド層、(3)量子コンピューターの計算や制御を実行するサーバー群からなるバックエンド層の3レイヤーで構成。クラウド層はアマゾンウェブサービス(AWS)が管理するサーバー上で動作し、バックエンド層は阪大に設置されたハードウェア上で動作する。 ユーザーは、キュナシス(QunaSys)が開発した量子計算用のオープンソースライブラリ「キュリパーツ(QURI Parts)」を使って、量子コンピューターで実行する量子回路をプログラミングする。プログラミングには、パイソン(Python)を利用する。

(中條)

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