年次イベント「Ivanti NEXT 2023」開催、「Ivanti Neurons」プラットフォームを紹介
“従業員のデジタル体験”改善でIT部門が取り組むべきこと ― Ivanti
2023年11月08日 09時00分更新
Ivanti Softwareが2023年10月13日、東京でカンファレンスイベント「Ivanti NEXT 2023」を開催した。
DXの推進をはじめ、コロナ禍とデジタル化を通じた働き方の大きな変化とセキュリティの維持、ITシステムの複雑化とIT人材不足/熟練者の退職に伴う“ナレッジのブラックボックス化”、予算的な制約など、現在のIT部門が抱える課題は数多い。
今回のIvanti NEXTでは、企業がそうした課題を乗り越えて「次」の戦略的なIT施策にリソースを振り分けられるよう支援する、IT運用管理ソリューションプラットフォーム「Ivanti Neurons」の概要や、クレディセゾンにおける導入事例などが紹介された。
ハイブリッドワーク、Z世代の職場参加などでIT課題はどう変化したか
Ivanti APAC地域担当副社長のリアム・ライアン氏は、Ivantiが今年実施した「2023 DEX(従業員のデジタル体験)調査レポート」(以下「DEXレポート」)の結果などを引用しながら、現在のオフィスIT環境で生じている、IT部門が抱える課題について説明した。
グローバル(日本を含む)7800人のIT担当者や経営幹部、オフィスワーカーを対象としたDEXレポートによると、少なくとも一部の時間をオフィス以外の場所で働く従業員は63%に達する。さらに74%の従業員は、コロナ禍以前(2020年以前)と比べて「生産性が向上した」と実感しているという。オフィスワークとリモートワークを柔軟に組み合わせる「ハイブリッドワーク」は、ごく一般的なものになったと言えるだろう。
ハイブリッドワークを実現していくなかでは、デジタルツールを通じた質の高い業務体験(=DEX)がより重要なものとなる。しかし同レポートでは、現実には61%の従業員が「テクノロジーによってネガティブな影響を受けている(職場への印象がネガティブになっている)」、78%が「(自社が導入しているものとは)別のツールを使ったほうが生産性が上がる」と回答している。
さらにライアン氏は、従業員の世代交代に伴う「DEXへの期待値の変化」も指摘する。生まれた時点ですでにインターネットがあったZ世代(1996~2012年生まれ)も共に職場で働くようになっているが、この世代のDEXに対する期待値は相対的に高く、DEXの良し悪しが「その職場で働くか/働き続けるか」の判断基準にすらなっている。企業のIT部門にとって、質の高いDEXの実現は技術面でも運用面でも大きな課題になっているわけだ。
Ivantiでは、企業のIT運用管理やセキュリティ、エクスペリエンス管理を包括的にサポートするSaaS型プラットフォーム「Ivanti Neurons」を提供している。ライアン氏は、Ivanti Neuronsの開発においては特に「従業員体験(DEX)、そしてAIを活用したハイパーオートメーション(高度な自動化)に大きく投資している」と、このソリューションの位置付けと方向性を紹介した。