Google Researchは11月1日、Google DeepMindと共同開発した新しい気象モデル「MetNet-3」についての詳細を公開した。
24時間先までの雨、気温、風、露点の予測が可能
MetNet-3は2020年のMetNet、2021年のMetNet-2に続いて開発されたもの。レーダーや衛星から取得した大気の直接観測データと、従来の数値天気予報などその他のデータソースを取り込み、データ同化、シミュレーションを1つのステップで組み合わせた高密度化(デンシフィケーション)と呼ばれる技術を使用し、2分ごとという短い間隔で24時間先までの雨、気温、風、露点(結露がはじまる温度)の予測が可能だという。
研究チームによると、複数地域の予測や24時間先までの予測に関してはHigh-Resolution Rapid Refresh(HRR)やEnsemble Forecast Suite(ENS)といった従来の数値天気予報(NWP)モデルよりも能力が高いという。
MetNet-3を利用した予報は現在、リアルタイムの12時間降水予報を提供する「Google Nowcast」およびGoogle検索の天気予報機能として、米国とヨーロッパの一部で提供されている。
グーグルはMetNet-3について「気象予報に新たな可能性を生み出し、交通、農業、エネルギー生産など多くの活動の安全性と効率を向上させる可能性がある」と述べている。