シャープの「AQUOS sense8」は、シャープの定番かつ最も売れ筋となるミドルクラスの「AQUOS sense」シリーズの最新モデル。基本的なデザインは前機種「AQUOS sense7」を踏襲しながらも、カメラやバッテリーなど性能面でさまざまな強化が図られている。発売前の実機からその性能を確認してみよう。
◆外観は踏襲も指紋センサーは電源キー一体型に
まずは外観を確認すると、ディスプレーは約6.1型の有機EL(IGZO OLED)を採用しており、サイズは約71×153×8.4mm、重量は約159g。AQUOS sense7はディスプレーサイズは同じで、サイズが約70×152×8.0mm、重量が158gなので、厚さがやや増していることを除けばサイズ的にあまり大きく変わっていない。
背面のデザインもここ最近の「AQUOS R」シリーズのデザインを踏襲したアルミボディーで、標準カメラが中央上部に位置するデザインが継承されていることから、ぱっと見では両機種の区別がつきにくい。
なお、カメラ部分の出っ張りの高さもそれなりにあるが、出っ張りがなだらかな上に中央にあることから、背面を背にして置いた場合の傾きはそこまで気にならない。
一方で大きく変わったのが右側面で、AQUOS sense7では独立していた指紋センサーが電源キー一体型となり、見た目にもシンプルになっている。前機種で指紋センサーが独立していたことには不満の声が多かっただけに、ユーザーの声をくみ取っての変更といえそうだ。
もちろんフロントカメラを用いた顔認証にも対応しており、引き続きマスクをした状態での顔認証にも対応する。
それ以外のインターフェースを確認すると、底面にUSB Type-C端子と3.5mmのイヤホン端子が、上部にSIMトレイが用意されている。SIMトレイはシャープらしくSIMピン不要で抜き差しできる仕組みなのがうれしい。
◆標準カメラにはついに光学式手ブレ補正を搭載
続いてカメラを確認すると、背面のカメラは約5030万画素/F値1.9でセンサーサイズが1/1.55インチの標準カメラと、約800万画素/F値2.4の広角(超広角)カメラの2眼構成。前面のフロントカメラは約800万画素/F値2.0となっている。
スペックだけを見ると、こちらもAQUOS sense7と変わらず、高い画素数を活かして高精細な2倍ズーム撮影を実現するなど、できることも共通している部分が多い。だが大きな違いもいくつかあり、1つは手ブレ補正が進化したことだ。
AQUOS sense8はAQUOS senseシリーズでは初めて、電子式手ブレ補正に加え光学式ブレ補正を搭載。両者を組み合わせることで、より暗い場所での撮影に強くなっているのだ。それゆえ暗い場所での撮影はかなりやりやすくなっており、ナイトモードを使わなくても場所によっては十分な明るさで、ブレなく撮影できるケースが多かった。
ただ超広角カメラの性能が変わっていないこともあって、標準カメラと同じ感覚で超広角カメラを使って撮影してしまうとブレやボケが生じやすいとも感じた。コスト面の問題もあるので欲張りな要求かもしれないが、ここまで標準カメラが進化してしまうと、超広角カメラにも性能強化がほしいと感じてしまう。
そしてもう1つ、新たに追加された機能が「フローティングシャッター」である。これはカメラアプリの画面内に自由に設置できるシャッターボタンで、設定から追加できる。
フローティングシャッターは好きな場所に設置できることから、従来のシャッターボタンや音量キーではシャッターが切りづらいシーン、主に片手で持った状態でシャッターを切る時にとても役立つ。実際に試してみたが、片手で持って親指が届きやすい位置にフローティングシャッターを置くことにより、片手で縦だけでなく、横に持った状態でも撮影しやすくなるので非常に便利だ。

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