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ITインフラに対し顧客満足度の向上やイノベーションの加速も期待

生成AI活用で、ITインフラの複雑化、分散化が加速 ― IDC国内ITインフラ支出動向調査

2023年10月17日 13時00分更新

文● ASCII

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 IT専門調査会社であるIDC Japanは、2023年10月16日、国内ITインフラ支出動向調査の分析結果を発表した。

 本調査は、IDC Japanが国内企業・組織のITインフラ導入の意思決定やITインフラ導入のプロセスに関与する回答者554人を対象に、2023年9月に実施したアンケートに基づくもの。調査によるとITインフラ投資に期待するビジネス成果として、コスト削減や事業運営の効率化、売上や利益の拡大といった事業拡大に加え、顧客満足度の向上やイノベーションの加速といったデジタルビジネスに直結する項目も重視されていることが明らかになったという。

ITインフラ投資に期待するビジネス成果

 また、デジタルビジネスの成熟度が高い回答者は、ITインフラ投資の優先度が高く、ITインフラのレジリエンシー(変化への対応能力)も備えている傾向があるという。ITインフラ投資では、ITインフラのセキュリティや俊敏性の向上、運用管理の自律化に加え、データ分析基盤に対する投資が重視されている。

 近年拡充されているオンプレミスにおけるハードウェアのas a Serviceモデルを利用する理由としては、使用量に応じた支払い、過大な初期投資の回避、利用とコストの対応関係の明確化が上位となったという。ITコストの最適化に加え、ITインフラコストの説明責任やコスト負担部門の明確化もas a Serviceモデルの利用理由となっていることが分かる。

 生成AI(Generative AI)の活用によって起こるITインフラの変化では、サイバーセキュリティ脅威への対応、オンプレミスへのワークロードの再配置、ITインフラの複雑性の増大、パブリッククラウドへの移行の加速が上位となり、生成AIの取り組み拡大はITインフラにも影響を及ぼすことが分かっている。

 IDC Japan Infrastructure & Devicesのリサーチマネージャーである宝出幸久氏は、「デジタルビジネスを拡大するためには、ITインフラは優先度の高い投資領域の一つである。Generative AIの活用が進めば、ITインフラがさらに複雑化し、ITインフラの分散化が加速する見込みである。ITインフラ投資においては、データ活用によるイノベーションの実現と、ITインフラの信頼性の向上を両立すると共に、デジタルビジネスを実現するための共通基盤を構築することが重要になる」と分析する。

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