1次命令キャッシュが32KB→64KBに増量
次は、そのMeteor Lakeを構成するPコアのRedwood CoveとEコアのCrestmontである。まずRedwood Coveの構造が下の画像だ。
連載736回でも書いたが、Redwood CoveはGranite RapidsとMeteor Lakeの両方で採用されるわけだが、そのGranite Rapidsのブロック図と比較すると、予想通りマトリックス・エンジンはMeteor Lakeには搭載されないようだ。これは当然で、AVX512ですら有効化されているか怪しいのに、AMXを搭載するわけもない。
内部構造をAlder LakeのGolden Coveと比較した場合、異なっているのは1次命令キャッシュが32KB→64KBに増量されたこと、それとPort 10と11の役割が逆転していること程度である。
2次キャッシュが2MBというのはRaptor Lakeに搭載されたRaptor Coveですでに実現しているので、性能改善につながる目立った項目は1次命令キャッシュの容量しかない。
実際には細かい改良などが施されているだろうから、いくつかの命令でスループットが上がったりレイテンシーが下がったりといった違いはあるだろうが、基本的には従来と変わらず、あとは動作周波数次第という感じである。
一方のEコア。ここで利用されているCrestmontはSierra Forestと共通である。違いがあるとすれば、コンシューマー向けであるからメモリーサブシステム周りはSierra Forestに搭載される“Xeon Advanced Features”はまるっと無効化されているものと思われる。
ただこれを除くと基本的にはまったく一緒であり、そうなるとSierra Forestのところで説明したように基本的なIPCにはほとんど差がないことになる。こうなると、このスライドに出てくる“IPC gains over prior E-cores(以前のEコアに比べて IPCが向上)”をどうやって獲得しているのかは現時点でははっきりしない。
少なくともVNNI周りの命令が多少高速化されたのはわかるし、分岐予測のメカニズムに改良があったらしいこともわかるのだが。
このあたりは12月の製品出荷に合わせて公開されるであろうSystem Optimization Manualあたりで出てくるかもしれない。
本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります

この連載の記事
-
第892回
PC
Hot Chipsで明かされた「Wildcat Lake」の全貌 Foverosを捨てMCPを選んだインテルの舞台裏 -
第891回
PC
謎多き次世代Xeon「Diamond Rapids」を解剖、3D Meshの進化と新命令セットAPXがもたらす変革 -
第890回
PC
Samsung「SF2P」の全貌! GAA最大の弱点であるPMOS性能低下を克服し、TSMC追撃へ準備万端 -
第889回
PC
なぜ巨大チップは歪んで壊れるのか? SK HynixのHBM4「MR-MUF」とTSMCのCoWoS-Lを襲う熱膨張の罠 -
第888回
PC
NVIDIA Rubin Ultra開発中止の真相! 180層CoWoS-Lの歪曲トラブルと、急造ラックNVL576に透ける苦肉の策 -
第887回
PC
AIなしではもはや限界 TSMCが明かすメモリー開発にAIが不可欠となった現実 -
第886回
PC
CFETの足を引っ張るPMOSを救え! imecが提案する新絶縁層と、あえて精度を緩める「Notch Alignment」の妙手 -
第885回
PC
TSMCも次世代「CFET」の全貌を披露! Forksheetスキップの背景と、世界最小6T SRAM実証で見えた2030年への布石 -
第884回
PC
Samsungが次世代CFETの試作に成功! IBMの10万ドル方式に対抗する、量産重視な「一括形成プロセス」のリアリティ -
第883回
PC
TSMCのA16プロセスの詳細が判明! 性能向上の主因はトランジスタではなく裏面電源供給(SPR)にあり? -
第882回
PC
IBMが0.7nmチップの製造に成功! 変態的CFET構造NanoStackの凄みと、あまりに高すぎる製造コストの壁 - この連載の一覧へ













