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「Meteor Lake」量産が進む、インテル マレーシア工場の中身とは

2023年09月02日 10時00分更新

文● ジサトラユージ 編集● ASCII

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ツアーで見学した2つのインテルのキャンパスのうちの1つ、ペナンキャンパス

 インテルは8月21日~24日にかけ、マレーシアにて報道関係者を対象としたテックツアーを開催した。本ツアーは、ペナン島および近辺にある同社の工場・研究開発センターの見学を中心としたものとなっていた。

 半導体の製造については、ウェハーを製造する“前工程”と、ウェハーの切りだしやパッケージング、テストを含めて製品に仕上げる“後工程”に大別される。マレーシアには、このうち後工程を行う工場が置かれている。

世界にある同社の工場。青いものが前工程で、オレンジと緑は後工程の工場

 マレーシアの工場は、ペナン島にあるペナンキャンパスと、本島・クリムに位置するクリムキャンパスの2か所。それぞれ、CPUの組み立てやテストを行う施設が置かれている。なお、工場内部は社外秘となるため、本記事では施設内の写真はインテルから提供された公式素材を使用している。

今回見学したマレーシアのペナンキャンパスとクリムキャンパス

 ツアーの最初には、製造およびサプライチェーン、オペレーション部門のSteve Long氏とAK Chong氏による基調講演が行われた。

Corporate Vice Presidentおよび、日本を含むアジア太平洋地域(APJ)のGeneral ManagerであるSteve Long氏

Vice Presidentおよび、インテル マレーシアのManaging DirectorであるAK Chong氏

 基調講演では、プロセスノードに関するロードマップやAPJリージョンにおける現状などを解説。また、インテル マレーシアに関する歴史などもここで紹介した。同社は1972年から、51年にわたって現地で事業を展開している。

APJにおける各国の位置づけ。日本は3番目に大きなICT市場と説明されている

インテルによるマレーシアへの影響

ダイをCPUに仕上げ、テストするペナンキャンパス

 基調講演の後は、ペナンキャンパス内部の見学となる。ペナンキャンパスは複数の建物で構成されているが、今回見学が許されたのは同社のCPUの組み立てやテストを行う「PGAT(Penang Assembly and Test)」、そして「D&D(Design and Development Lab)」となっている。

●PGAT

 PGATでは、CPUの組み立てとテストを実施している。まず、テープリールに巻かれた状態で運ばれてきたシリコンダイを、PCB基板に取り付ける。そこに、強力な接着剤のエポキシ樹脂を塗布して接着。その後、「TIM(Thermal Interface Material)」を塗布してヒートスプレッダーを装着する。

 完成したCPUは、高温と電圧によるストレスを加え(バーンイン)て不良品を選別し、さらに通電テストで出荷可能なCPUかを改めてテストする。そのうえで、OSや各種プラットフォーム上で性能検証(PPV)し、通ったものが出荷されることとなる。

工程ごとに分けられたCPUの各パーツ

基板へのダイの取り付け作業

右がエポキシ樹脂の塗布前、左がエポキシ樹脂の塗布後

テスト機材の様子。ロボットによってチップを取り換えて検証する

●D&D

D&Dの主な6つの機能。様々な検証がここで行われている

 D&Dはデザイン・開発ラボということだが、主な機能としては各種の検証を実施する施設となる。ここでは、CPU単体に限らずマザーボードなどのシステムに組み込んだうえでの検証も行っている。

ビデオカードなどの拡張カードを挿してのシステム検証

PCIe Gen5の検証

ディスプレー出力の検証

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