FRONTIERのゲーミングPC「FRGAGB760/WS901/NTK」で検証
16GBと8GBのRTX 4060 TiはAI分野で大きな差が! 搭載BTOPCで比較してみた
Core i5-13400FとRTX 4060 Tiの組み合わせはミドルレンジとしていいバランス
16GBビデオメモリーの恩恵はどこに出るか?
FRGAGB760/WS901/NTKが搭載するCPU、Core i5-13400Fは、インテル第13世代Coreプロセッサーのミドルレンジに位置するモデルだ。モデル名末尾の“F”は内蔵GPU非搭載を意味し別途外付けGPUが必要なことを意味している。FRGAGB760/WS901/NTKはビデオカードを搭載しているので、もちろん問題はない。
性能重視のPコアが6基、効率重視のEコアが4基搭載された計10コア/16スレッドのハイブリッドアーキテクチャーで、最大ブースト時の動作クロックは4.6GHz。前世代の「Core i5-12400F」にはEコアが搭載されていなかったので、よりマルチスレッド処理が得意となった形だ。
システムメモリーは16GB(DDR4-3200 8GB×2)を標準搭載する。通常のゲームプレイであればまだ十分やっていけるメモリー容量だ。メモリースロットはあと2基空いているので、後々のメモリー増設も可能。昨今はメモリー価格も落ちてきているのでサクッと増設してしまうのもいいかもしれない。
そして今回のマシンで一番気になるGPUには、NVIDIA RTX 40シリーズのミドルレンジモデルRTX 4060 Ti 16GBを搭載。その最大の特徴はGDDR6 16GBの大容量ビデオメモリー。ビデオメモリー容量は上位の「GeForce RTX 4080」に匹敵する。
RTX 4060 Tiは先行して8GB版がリリースされていて、16GB版での違いは如何ほどのものかと注目されているGPUだ。CUDAコア数は4352基、ブーストクロックは2.54GHzに達するが、TGP(総グラフィックスパワー)は165Wに抑えられワットパフォーマンスに優れたGPUといえるだろう。ターゲットはフルHDゲーミングで、フルHDの最高画質設定で滑らかなゲーミングを楽しむのに最適だ。
今回は同じMSI製のRTX 4060 Ti 8GBもお借りできたので、それぞれのパフォーマンスを比較しながら検証を進めていくことにしよう。
一般アプリケーションでビデオメモリーの差はみられず
まずは3DCGのレンダリング速度でCPUのマルチスレッド/シングルスレッド性能を計測する「CINEBENCH R23」の計測結果から。
結果はマルチスコアーが13735pts、シングルスコアーが1775pts。FRGAGB760/WS901/NTKのCPU電力設定はMTP 219W、PBP 65Wで運用されており、最初の瞬発力はかなり高い。PBP移行後10分間の完走スコアーで見ても前世代Core i5-12400F(マルチ約12500pts)からは1000pts以上のスコアーアップを果たしている。
続いて、ゲーム以外の様々なジャンルの負荷をかけてPCのトータル性能を測る「PCMark 10」(Ver.2.1.2636)の計測結果。16GB版と8GB版で比較も行なった。
まず、16GB版と8GB版では誤差範囲の違いしか見られず、16GB版のアドバンテージは無さそうだ。スコアー自体は、「Essentials」「Productivity」「Digital Content Creation(DCC)」ともにスコアー約10000前後以上を記録しており、様々な用途で快適な動作が期待できる。
次は、ゲーミング向けの3Dグラフィックス性能を測るベンチマーク「3DMark」(Ver.2.26.8125)での計測。こちらも16GB版と8GB版で比較を行なっている。
GPU中心のベンチマークということで、16GB版と8GB版の違いに期待したが、結果はほぼ同スコアーというものになった。ベンチマーク結果の傾向としては、RTX 4060 TiのターゲットがフルHDということで、フルHDベンチマークの「Fire Strike」は高いスコアーを記録している。
WQHDベンチマークの「Timespy」も結構頑張っており、DLSS対応タイトルであればWQHDも十分守備範囲に入りそうだ。4K以上やレイトレーシングになると、RTX 40シリーズの新兵器「DLSS FG」(フレーム生成)に頼ればなんとか……といった感じだ。
GPU性能が重要とされる動画編集についても、「UL Procyon」(Ver 2.6.848)の「Video Editing Benchmark」を用いて16GB版と8GB版の違いに迫ってみた。
結果はものの見事にほぼ同スコアーを残している。動画編集でも16GB版と8GB版の違いを確認することはできなかった。
これらの結果から、細かく見ていくと差が出てくる部分もあるかもしれないが、今回の検証において、一般的な用途だとRTX 4060 Tiの16GB版と8GB版で差が出ることはほぼなかった。
一般用途ベンチマークの〆としてストレージの転送速度も計測しておこう。内蔵ストレージのモデルを確認したところ、試用機には「Intel SSD 670p 1.0TB M.2」が搭載されていた。容量1TBでPCI Express Gen3接続のM.2 NVMe SSDだ。
結果はシーケンシャルリード3431MB/s、シーケンシャルライト2780MB/s。リード性能はPCI Express Gen3接続のハイエンドクラスに属する性能だ。Windowsの起動やゲームプレイ時のストレージアクセスも高速で、快適に操作できた。
1TBという容量も、ゲーミングとしては必要十分。ただ、昨今は大容量ゲームもだいぶ増えてきているのでいずれSSD増設の必要性は出てくるだろう。それでもFRGAGB760/WS901/NTKはマザーボード上に2基のM.2スロットの空きが残っているので、後々の増設も安心だ。
なお、空きM.2スロットのうち1基はPCI Express Gen 4x2の2レーンタイプなので、ここにPCI Express Gen 3のM.2 SSDを取り付けると大きな性能ダウンとなる点は気を付けたい。
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