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荻窪圭の“這いつくばって猫に近づけ” 第830回

ソニー「α6700」の進化した高速AFは猫の不意な動きもばっちり捉えてくれる

2023年08月23日 12時00分更新

文● 荻窪 圭/猫写真家 編集●ASCII

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子猫にピンクの猫ベッドってのは反則だと思う。かわいいに決まってるではないか。2023年8月 ソニー α6700

 それにしても、今年の夏の暑さはあまりといえばあんまりですな。例年なら、涼しい夜中にちょっとカメラ持って散歩して、深夜の油断してる猫を撮りに行こうと思ったりするのだが、夜でも蒸し暑いのである。最低気温が25度を上回る夜を熱帯夜と言うけれども、死語かというくらいそれが当たり前なのであった。

 よって、予告どおり、今回は冷房が効いた室内猫特集。撮影場所は、おなじみの「保護猫シェルター QUEUE」。いつもお世話になっております。カメラは前回と同じ、ソニーの「α6700」。

コンパクトなボディに最新の技術が詰まったソニーの「α6700」。小さくて軽いので猫撮りによし。レンズはシグマの「50mm F2 DG DN」を付けてみた。キリッとしてなかなかいい。

 レンズは、ソニー純正ではなく、シグマの「50mm F2 DG DN」を装着してみた。フルサイズセンサー用の単焦点レンズなのだけど、見てのとおり、なかなか似合うのだ。これをα6700につけると、35mm判換算で75mm相当と猫を撮るのにいい感じの中望遠になるのである。

 冒頭写真もその1枚。ピンクの猫ベッドにいたキジトラの子猫。背景もほわっといい感じでボケてくれるのである。で、撮ってたらこっちに気づいてむくっと起き上がり、猫ベッドから出てしまった。そんな不意の動きに対応してくれるのが、速くて賢いAFである。

急に猫が動いても安心の高速な猫AF。AF-Cモードにして「AF-ON」ボタンを押していれば、あとはタイミングだけだ。2023年8月 ソニー α6700

 ソニーのα6700は、APS-Cサイズのミラーレス一眼で、前モデルのα6600から4年ぶりのリニューアルで中身が一新された。

 ここ数年で大きく進化したところといえば、AF。α6600は人と猫(だけじゃないけど)の瞳検出だけだったけど、α6700はそこに最新の技術が入ってきて、昆虫とか飛行機とか対象が広がったのみならず、猫の瞳・頭・胴体と、より幅広く検出してくれるようになった。しかもAFも速いので、このような不意の動きにも対応してくれるのだ。それが一番印象的だった。

 毛繕いしてるシーンは連写で。連写速度はそれほど速くないけど、猫を撮るぶんには問題ない。それ以上に、猫の顔が細かく動いても瞳からフォーカスを外さないので、撮るほうはタイミングと構図だけに気をつけてればいいのだ。

子猫の毛繕い。連写した中から舌がいい感じに見えてて、毛繕い感が表現できてるものを選んでみた。2023年8月 ソニー α6700

 このキジトラの子猫は、何はともあれ遊びたい年頃なので、元気なやつをもう1枚。

ほかのお客さんがおもちゃで遊んでたので撮らせてもらった。手前にあるおもちゃではなく、奥にいる猫にピントが合ってるのがよくわかる。2023年8月 ソニー α6700

 で、大人の猫はそんな子猫を冷めた目で見ているのであった。「あいつらは元気やなあ。おれはもう年だからのんびり過ごすわ」って顔に書いてある……よね。

大人のチャトラは貫禄の1枚。そっと近づいて撮影。2023年8月 ソニー α6700

 では、ほかのレンズで撮った猫もいこう。これは、高倍率ズームレンズキットとして用意されている「E 18-135mm F3.5-5.6 OSS」で撮った子猫。望遠に強いズームレンズは、猫を気軽に撮るのにいい。

逆光の白い子猫を明るく撮る……と、なんかわざとらしいかわいい猫写真なのだけど、たまにはそういうのも。白猫は明るく撮るべし。2023年8月 ソニー α6700

 もう1本、「FE 70-200mm F4 Macro G OSS II」というちょっとハイエンドな望遠ズームも使ってみた。フルサイズ用のズームレンズなのだけど、近距離撮影にも強いので、顔のアップもどんとこいなのだ。

望遠ズームというと屋外で使うイメージがあるけど、ぐぐっと寄って撮れるので、室内でぐぐっと近寄って撮るのにもいいのだ。ちょっと目が充血してる(?)ハチワレ。2023年8月 ソニー α6700

 最近、中央部のファインダーがぴょこんと出っ張った……一眼レフっぽいデザインのミラーレス一眼が主流なのだけど、α6700のようにファインダーを左肩に入れることで上面をフラットにして高さを抑えたカメラは、バッグへの収納性も高くて携帯しやすい。

 小型・軽量な構成で、気軽に撮影したいなあというときは、こういうボディがいいのだった。猫撮りお散歩カメラとしておすすめ。

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筆者紹介─荻窪 圭

 
著者近影 荻窪圭

老舗のデジタル系フリーライター兼猫カメラマン。今はカメラやスマホ関連が中心で毎月何かしらのデジカメをレビューするかたわら、趣味が高じて自転車の記事や古地図を使った街歩きのガイド、歴史散歩本の執筆も手がける。単行本は『ともかくもっとカッコイイ写真が撮りたい!』(MdN。共著)、『デジタル一眼レフカメラが上手くなる本』(翔泳社。共著)、『古地図と地形図で楽しむ東京の神社』(光文社 知恵の森文庫)、『東京「多叉路」散歩』(淡交社)、『古地図と地形図で発見! 鎌倉街道伝承を歩く』(山川出版社)など多数。Instagramのアカウントは ogikubokeiで、主にiPhoneで撮った猫写真を上げている。Twitterアカウント @ogikubokei。ブログは http://ogikubokei.blogspot.com/

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