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APEXもフルHDなら200fps以上!Ryzen 9 7940HS&RTX 4070搭載の最新Razer Blade 14の実力に迫る

2023年08月18日 13時00分更新

文● 宮崎真一 編集●ジサトラハッチ

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モバイル向けRTX 4070を使用した際の
ゲームパフォーマンスはかなり優秀

 それでは、Razer Blade 14のパフォーマンステストに移ろう。ここでは、Razer Blade 14に搭載されたモバイル向けRTX 4070以外に、Ryzen 9 7940HSに統合されたRadeon 780Mを使用した際のパフォーマンス検証も行っている。

 まずは、定番ベンチマークツール「3DMark」(Version 2.26.8098)からだが、「Fire Strike」において、Razer Blade 14はモバイル向けRTX 4070でFire Strike“無印”で2万6000台と良好な結果を残した。Fire Strike Ultraでも7000弱のスコアーを発揮しており、14型ノートPCとしては十分高性能と言っていいだろう。

 一方、Radeon 780Mを使用すると、Fire Strike“無印”は6000台まで低下する。Fire Strike Ultraでは、2000以下にまでスコアーが落ち込み、お世辞にも描画性能が高いとは言えない。DirectX 12のテストである「Time Spy」でも、モバイル向けRTX 4070を使用するとTime Spy“無印”で1万1000以上、Time Spy Extremeで5500ほどとかなり優秀だ。

 しかし、Radeon 780Mではドライバの問題からか、エラーとなり実行することができなかった。もう1つのDirectX 12のテストである「Speed Way」でもモバイル向けRTX 4070では3000弱のスコアーを叩き出しているものの、Radeon 780Mではエラーとなってしまっている。

 では、実際のゲームではどうなのか、「Apex Legends」の結果に移ろう。ここでは、モバイル向けRTX 4070は、オプションから描画負荷が最大になるように設定し、Radeon 780Mは、逆に最低になるように変更。

 そのうえでゲームをプレイし。その間のフレームレートを「Frasp」(Version 3.5.99)で取得した。まず、モバイル向けRTX 4070のほうだが、Razer Blade 14は1920×1080ドットで常時190fps以上のフレームレートを発揮。平均フレームレートは230fps程度にまで達しており、リフレッシュレート240Hzに対応した液晶パネルを活かすことができそうだ。

 それに対して、Radeon 780Mは最低設定でも1920×1080ドットで平均フレームレートが100fpsに迫っている点は立派。最小フレームレートも60fpsを大きく上回っており、コアなプレイヤーの需要は満たせないものの、快適なプレイは実現できると言っていい。しかし、2560×1600ドットになるとフレームレートは極端に落ち込み、このあたりはドライバーに問題がありそうだ。

 続いて「バイオハザード RE: 4」のテスト結果を見てみよう。ここでは、モバイル向けRTX 4070はレイトレーシングが有効になる「限界突破プリセット」を、Radeon 780Mは最も描画負荷が小さく、レイトレーシングも無効になる「パフォーマンス重視プリセット」を使用。その状態でゲームをプレイし、「CapFrameX」(Version 1.7.1)で測定している。

 なお、モバイル向けRTX 4070では「NVIDIA DLSS」を、Radeon 780Mでは「FedelityFX Super Resolution 2」をそれぞれ有効にしている。まず、モバイル向けRTX 4070は1920×1080ドットで常時60fpsを超えるフレームレートを実現しており、レイトレーシングを有効にしてこの結果は申し分のない出来。

 一方、Radeon 780Mは1920×1080ドットでも平均フレームレートが40fpsを上回るのがやっと、1パーセンタイルフレームレートは30fpsまで低下しており、快適にプレイするのは少々難しそうだ。

 「ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレベンチマーク」では、モバイル向けRTX 4070は「最高品質」、Radeon 780Mは「標準品質(ノートPC)」で実行。スクウェア・エニックスが示す指標ではスコア1万5000以上で最高評価とされているが、モバイル向けRTX 4070は1920×1080ドットでそれを大きく上回り、2560×1600ドットでもあとわずかのところまで迫っている。一方、Radeon 780Mは1920×1080ドットでも7000強で、指標では「やや快適」とされており、ひとまずプレイできるレベルといったところだ。

 最後に「PCMark 10」でシステム全体のパフォーマンスを推し量ってみたい。ここでは無償版でも利用できるPCMark 10“無印”のテストを実行。モバイル向けRTX 4070を有効にした状態でのみテストを実施したが、総合スコアーは8000弱と優秀だ。とくにDigital Content Creationが1万2000強と高く、デジタルコンテンツの制作で強みを発揮しそうだ。

Razer Blade 14

PCMark 10の実行結果

史上最強の名に偽りはなし
Radeon 780Mに期待は禁物

 以上の結果から明らかなように、モバイル向けRTX 4070を使用したときのRazer Blade 14のゲームパフォーマンスはかなり優秀だ。リフレッシュレート240Hzに対応した液晶パネルを活かせる性能を備えており、Razerが“史上最強”を謡っている点も偽りなしと言っていい。

 その一方で、Radeon 780Mのゲームパフォーマンスは決して高くない。Apex Legendsであれば1920×1080ドットの最低設定でかろうじて遊べる程度で、ゲーム性能にあまり期待はできない。

 そのため、Razer Blade 14は、Ryzen 9 7940HSのRadeon 780Mに期待するものではなく、単純にCPU性能とモバイル向けRTX 4070のGPU性能をゲームに活かしたノートPCと言っていいだろう。

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