このスマホ、ホントに買い? 話題のスマホ徹底レビュー 第437回
山根博士のグロスマレビュー
折りたたみの完成形「Galaxy Z Fold5」は軽くて薄くて使い勝手が大幅向上した
2023年08月18日 12時00分更新
サムスン電子の「Galaxy Z Fold5」は横折り式のスマートフォンの完成形とも言える製品だ。高速なチップセットに高画質カメラも搭載しており、これ1台であらゆる利用シーンにも対応する。今回はグローバル版を入手したのでレビューをお届けする。
フラッグシップモデルにふさわしいスペック
Galaxy Z Fold5はチップセットにクアルコムの「Snapdragon 8 Gen 2 for Galaxy」を搭載している。Galaxyシリーズ向けにカスタマイズされた高性能版で、動画処理やゲームなど高い能力を必要とするアプリも楽に動かすことができる。またカメラのAI処理にも優れているという。今回テストした製品はアメリカモデルで、メモリー12GB、ストレージ256GBを搭載している。なおストレージはUFS 4.0対応で、最大1TBのモデルも販売される。
開いたときのメインディスプレーサイズは7.6型で、解像度は2176×1812ドット、リフレッシュレートは120Hzに対応する。ディスプレーの右上には400万画素のフロントカメラを搭載、ディスプレー下部に内蔵された「アンダーディスプレーカメラ」なので、ノッチやパンチホールではなく、画面を遮るものが一切ない。また、ディスプレーの表面はUTG(Ultra Thin Glass、超薄型ガラス)で覆われていおり、爪で強く押すなどしなければ傷がつくことはなさそうだ。このメインディスプレーは「Galaxy S23 Ulra」などのように、Sペンによる手書き入力にも対応する。
折りたたみディスプレーはヒンジ部分の折り目が気になるものだが、Galaxy Z Fold5はディスプレーをヒンジ部分に固定せず、曲げたときにヒンジの内側に伸び部分を収納する水滴型構造となった。そのため折り目はあまり目立たず、ヒンジに沿ってくぼみのようなものが見える程度になった。
バッテリーは4400mAhで25Wの急速充電に対応、ワイヤレスでは15W充電に対応する。バッテリーに関してはGalaxy Z Fold4と性能は変わっていない。ワイヤレスイヤホンやスマートウォッチを充電できる、ワイヤレスリバースチャージにも対応している。
カメラは5000万画素の広角、1200万画素の超広角、1200万画素の光学3倍望遠を搭載。静止画は100倍のデジタル望遠、動画は8K 24fpsに対応する。カメラもGalaxy Z Fold4と同じスペックだが、チップセットの変更によりAI処理性能が高められており、Galaxy S23シリーズ同等の夜間撮影性能を持つ。
開いたときの本体サイズは154.9×129.9×6.1mm。Galaxy Z Fold4より2mm薄くなっている。側面には右側に指紋認証センサー兼電源ボタンとボリュームボタンを備える。重量は253gで、Galaxy Z Fold4の263gより10g軽くなった。参考までにグーグルのPixel Foldは158.7×139.7×5.8mm、283gだ。
閉じればスリムなスマホに変身
本体を閉じたときの大きさは154.9×67.1×13.4mm。横幅はかなりスリムであり、厚みがあるものの、片手で握りやすい大きさだ。ディスプレーは6.2型(2316×904ドット、アスペクト比23.1:9)と縦方向に長いため、片手操作をするときは親指が端までやや届きにくい。そのため本体下部ではなく真ん中あたりを握って使うのが良さそうだ。本体カラーはIcy Blue、Phantom Black、Creamの3色。オンライン限定色としてGray、Blueの2色もある。
Galaxy Z Fold5の大きな進化は閉じたときに隙間の開かない「ゼロギャップ」デザインになったことだ。これにより本体の厚みはGalaxy Z Fold4より最大2.4mmも薄くなった。片手で握ったときのホールド感も高まっており、ケースをつけても持ちやすくなった。
ヒンジは自由な位置で止めるて使うことができる「Flex Mode」に対応する。開閉はしやすいものの、片手だけで開くのはやや難しいので、開くときは素直に両手を使ったほうが良い。
3つのアプリを同時に表示できる便利さ
Galaxy Z Fold5のOSはAndroid 13で、サムスンのUI「OneUI 5.1.1」を搭載している。タブレット画面にも最適化されており、アプリ起動時には画面右下に素早く起動できるアプリのショートカットアイコンが並ぶ。一番左のアイコンをタップすれば表示されていないアプリアイコンを開くことができる。一方、OneUIの機能として、画面の横から中央にスワイプできる「タブ」を開き、そこからアプリを呼び出せる。こちらは2つのアプリを同時に分割できるアプリセットを登録できるため「ブラウザー+地図アプリ」のように、よく使う組み合わせもワンタッチで呼び出し可能だ。
アプリの分割は2分割、3分割が可能だ。2分割は左右、上下のどちらも可能で、左右表示から上下表示への変更もできる。3分割は、2分割したうちの1つのアプリ画面をさらに2分割するスタイルとなる。それぞれアプリの表示サイズは多少調節できるため、見やすいサイズにもできる。
さらにアプリをポップアップ表示することもできる。電卓や時計を画面上に浮かぶように表示させておくことができるわけだ。表示が邪魔な時はフローティングアイコンで表示ができる。そしてアイコンをタップすれば、また元のポップアップ表示となる。このように様々な画面分割表示に対応しているのがGalaxy Z Fold5の魅力の1つだ。
外画面も23:9のワイドなアスペクト比を活かせば、アプリの2画面表示も見やすい。
表示関連のオプションとしては、USBケーブルやWi-Fi経由で外部ディスプレーやノートPCにデスクトップモードを表示できるDeXモードも利用できる。ノートPCに接続した場合はDeXモードは全画面だけではなくアプリの画面として自由なサイズでの表示もできる。ドラッグ&ドロップで写真などデータのコピーも簡単だ。
ノートPCとGalaxy Z Fold5の連携をよりスムーズにできるのである。
この連載の記事
-
第519回
スマホ
ドコモ以外からも売られる新らくらくスマホはガラケー的UIと進化した健康管理機能で勧めやすい1台 -
第518回
スマホ
モトローラの縦折りスマホ最高峰「motorola razr 50 ultra」は強化されたAIが楽しい -
第517回
スマホ
安く買えて普段使いに問題なし! バランスが良いオススメのミドルレンジスマホ3選 -
第516回
スマホ
カメラやAIの性能に違いはあるのか? Xiaomi 14Tと14T Proを使い比べてみた -
第515回
スマホ
日本発売が決定した可変絞りカメラ搭載のハイエンドスマホ「nubia Z70 Ultra」速攻チェック -
第514回
スマホ
2人同時に音楽を楽しめる青春スマホ「nubia Music」に新しい可能性をを見た -
第513回
スマホ
4万円で買えるゲーミングスマホも! コスパに優れたデザインスマホ「realme 13」シリーズがアツイ! -
第513回
スマホ
100倍望遠が実用的なスマホ「vivo X200 Pro」はカメラ性能が変わらず最強だった -
第512回
スマホ
ツァイスカメラ搭載のスマホ「vivo V40」は可変色LEDライトでポートレート撮影も得意 -
第511回
スマホ
価格も性能も妥協したくない人にオススメの王道ハイエンドスマホ3選 -
第510回
スマホ
スマホは高くない! 2万円台で買えるオススメ格安エントリースマホ4選 - この連載の一覧へ