「熟成醤油の清湯つけ麺」:
セブンの「スープだけ温めるつけ麺」の良いところ/惜しいところ
2023年06月04日 16時00分更新
「熟成醤油の清湯つけ麺」
セブン-イレブン
702円
https://www.sej.co.jp/products/a/item/090628/
セパレートで合理的にレンジでチン
筆者の友人に、「ラーメンが好きだが、つけ麺が苦手」という人がいます。「冷たい麺のせいで、熱いスープがぬるくなっていくのが許せない」のだそうです。
そういう人のために麺を熱くする「あつもり」があるわけですが、逆に筆者は「冷たくしてしめた麺の食感が変わる気がする」ので、苦手です。人間の好みというのは、難しい。麺の熱い/冷たいでこの騒ぎになってしまう。
熱い/冷たいといえば、コンビニ弁当をレンジでチンすると漬け物やポテトサラダも温かくなってしまうのは、個人的に気になるところです。どうにか、容器をセパレートするなどして、なんとかなりませんか?
そこで、セブン-イレブン「熟成醤油の清湯つけ麺」です。熟成醤油に鶏ガラや魚介のダシを合わせ、かぼす果汁を加えた清湯(ちんたん)スープで食べるつけ麺。
この商品、スープをレンジで温め、冷たいままの麺をつけて食べる仕立てです。そう、セパレートで、スープだけ温められるタイプです。合理的ですね。
それなのに購入した際、店頭で「温めますか?」と聞かれましたが、「はい」と答えて大丈夫だったのでしょうか。「いえ、温めません」と伝えて持ち帰りましたが……。
麺は、ほぐし水でよくほぐします。このあたりはコンビニの麺類といったところ。スープだけ温める、麺は水でほぐす……ということで、ちょっと手間は多いのですが、それでもインスタント麺などの調理よりは手軽でしょう。
つけ汁の個性はしっかりしているが
しょっぱすぎるかなあ
さてさて、つけ麺自体の味はどうでしょうか。「熟成醤油に鶏ガラや魚介のダシを合わせた」というだけあり、つけ汁は和風な味わいになっています。柑橘の香りもほのかにある程度で、悪目立ちしていないのが高評価。
“つけ麺”というより、“ざる中華”といった趣ですね。この説明でピンときてもらえるとうれしいのですが、「ざる中華って何?」という方には申し訳ありません。
つけ麺はつけ汁(スープ)に絡めて食べることもあって、麺が太いものも多いのですが、こちらは太すぎず細すぎずといった仕上がりになっています。
ただ、つけ汁のクオリティーについては、合格点といえるかどうか。醤油の味で食べさせたいのはわかるのですが、ちょっと塩辛すぎるかな……とも思います。
味が薄まってはまずいと考えたのかもしれませんが、やや単調な印象もありますね。もうちょっと魚介のダシが強く出ていればなあ、塩気が抑えてあればなあ、という感じ。
あと、具材のネギとメンマは少量です。まあ、コンビニのお弁当と感じればそんなものかもしれませんが、ちょっと物足りない気はしました。
一方、チャーシューが3枚も入っているのはうれしいところ。つけ汁の中に1枚、麺に2枚添えられています。分厚くはないのですが、使用している部位が違うだけに、食べ比べられる楽しみはあります。
味のコンセプトはわかりやすいですし、つけ汁だけ温めるのは合理的です。コンビニで販売するつけ麺として、明確に良いところがあるといえる。
ただ、つけ汁がしょっぱすぎるかなあ……と感じます。キレのある醤油味にしたいのはわかるのですが、バランスとしてはどうでしょうか。うーん、ここは惜しい。具材も含め、つけ汁には改良の余地はありそうです。セブン-イレブンの今後に期待したくなるつけ麺でした。
モーダル小嶋
1986年生まれ。「アスキーグルメ」担当だが、それ以外も担当することがそれなりにある。編集部では若手ともベテランともいえない微妙な位置。よろしくお願い申し上げます。
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