今日は3月にサンフランシスコで開催されたGame Developers Conferenceの話です。Epic Gamesが久しぶりに基調講演をしたんですね。
5日間の会期中、水曜日に重要な技術発表をするのが慣習化していたのですが、コロナのためにこの数年はありませんでした。今年の基調講演では、Epic GamesがUnreal Engine関連の強力なテクノロジーの新機能を次々に発表しています。
最大のポイントは「メタバース」を強調していた点です。
生成AIに話題を取られてすっかりどっかに行ってしまったメタバースですが、以前からしつこくメタバースと言い続けているのがEpic Gamesです。
というのも、100人対戦のサバイバルシューティングとして人気を得た「Fortnite」には、ゲームそっちのけでユーザーが雑談の場や、友達と一緒に遊ぶ空間と広がっていた面がありました。それが「メタバース」という意味へと拡張解釈されていったという経緯があるのです。
Epic GamesはFortniteの成功を通じて、ゲームエンジンの会社からメタバース技術を総合的に展開する企業になることを意識しながら戦略を推し進めています。基調講演に登場したティム・スウィーニーCEOは、まさにその点について説明しました。
「Fortniteは、月間アクティブユーザー数は7000万人を皮切りに、250万人のRoblox、1億人のマインクラフト、その他のゲームなどを含めると、バーチャルワールドのユーザーは6億人以上に達します。NFTはやVRゴーグルといった流行は脇に置いてよいものです。それは将来的には重要な役割を果たすかもしれませんが、革命に必須なものではないのです。(メタバースの)核となるものは、ゲーマーであれば誰でも知っていることですが、あなたとあなたの友達がネットで集まって、ボイスチャットでグループになって楽しく交流することですよね」(スウィーニー氏)
Epic Gamesはゲームメーカーとして展開し、ゲームエンジンを提供する会社へと変化していきました。それをさらにはユーザーのコミュニティツールにまで拡張し、誰もがクリエイターエコノミーに参加できる環境を整えることを目標に動いているのです。Unreal Engineも様々なアップデートが発表されたのですが、何よりも今回の目玉と言ってもいいのが、ユーザーがFortnite内に気軽に自分のメタバースを構築できる「Unreal Editor for Fortnite(UEFN)」でした。

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