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パナソニック、無料で3年保証が受けられる「IoT延長保証サービス」

2023年04月11日 15時00分更新

文● ASCII

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 パナソニックは4月11日、専用アプリから製品を登録すると3年間の保証が受けられる「IoT延長保証サービス」を発表。4月21日から受付を開始する。パナソニックマーケティングジャパン 宮地晋治社長が発表会で狙いを語った。

アプリ登録で3年保証に

 IoT延長保証サービスは、購入したIoT対応製品を専用アプリにつなぎ、製品を登録し、サービスの申込みをすると、これまでのメーカー保証1年に加え、無料で2年間延長し、合計3年間メーカーが保証するというもの。

 今年2月からサービスを提供している冷蔵庫に加え、エアコン、ドラム式洗濯乾燥機、オーブンレンジ、自動調理鍋、テレビ、レコーダーを追加する。

 また同社では、IoTデータを通じて製品の故障状況などを診断できるサービスを2022年3月からエアコンで開始しているが、4月からは冷蔵庫も開始し、サービスを拡充していくとした。

 エアコンについては、IoTにつなげることで、購入からの経過年数と運転した時間などをもとに室内機のクリーニングが必要な目安を通知する機能も提供中。同社技術スタッフによる出張クリーニングサービスも提供している。

 IoT施策と合わせて、4月からはマーケティング部隊の組織体制も変更。専門店や量販店といった商流軸の体制から全国7社のエリア制に変更して、サービスを軸とした、地域密着型の販売展開をしていくことになる。

IoTは新たな「商売の基準」

 宮地社長は発表会の冒頭で、昨年1月に同社が発表したグループ長期環境ビジョン「パナソニック グリーンインパクト」を説明。より良い暮らしと持続可能な地球環境の両立に向けて、同社独自の目標を掲げて取り組んでいるとした。

 その上で、「社会と暮らしの変化に応じて、家電が進化を続ける1人ひとりにちょうどいい暮らしへという想いとともに、IoTを活用した様々な新製品や新サービスを発表させていただきました」とIoTサービスの位置づけを説明。価値観の多様化や、節約志向などに個別に対応できるIoTサービスを、新たな「商売の基準」にしたいと語った。

 「これまでは家電のハードウェアとしての機能価値を基準に、お客様の購入時点がピークとなるような売り切れ型モデルとなっており、経年と共にお客様の満足度が減少しておりました。これからはアプリ接続によりお客様とつながり続けることを大切にし、ソフトのアップデートなど購入後の接点を広げることで、お客様の暮らしの変化に適宜サポートしていくことにより、購入後もお客様の満足度を高める体験価値を提供し、続けることを我々の商売の基準としていきます」(宮地社長)

 パナソニックは2021年に、同社家電製品におけるIoT家電の比率を2024年までに6割に高めた上、「1000万人のお客様とつながる」とする目標を掲げているが、今回の施策によって計画の前倒しをはかりたいとした。IoT化によるビジネス上のメリットについて多くは語られなかったが、優良顧客の囲い込みとともに、新たな商品開発や、各種サブスクリプションサービスなどのリカーリングビジネスにつなげていきたいという思惑がうかがえる。

 現在、家電メーカー各社がIoTサービスを提供しているが、国内のアプリ利用者はあまり伸びていない印象だ。パナソニックの延長保証サービスが起爆剤となってIoT化が進展することになるのか、今後の動きに注目が集まる。

 

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