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要介護化を防ぐアプリ「うごくま」搭載のかんたんスマホ3はウォーキングを習慣化する

2023年03月23日 10時00分更新

文● 村元正剛(ゴーズ) 編集●ASCII

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自治体との実証実験で効果を実感

 かんたんスマホ3への実装に先がけて、ソフトバンクは自治体と連携して「うごくま」アプリの実証実験も行った。2022年には鳥取県江府市と埼玉県ふじみ野市で行なわれ、今年に入ってから、東京都東村山市での実証実験も開始されている。

「うごくま」アプリの実証実験は昨年から行なわれている

 埼玉県ふじみ野市の実証実験では、参加者の71%がウォーキングの習慣化について、前向きな気持ちになったと回答したとのこと。参加者の声もアプリ作りに反映しているという。

目標を達成すると獲得できるどんぐりが好評で、コメントのバリエーションを増やすなど、実証実験に参加した人の声も活かされている

 実証実験では、参加者は自分のスマホに「うごくま」アプリをインストールしている。つまり「うごくま」アプリは、かんたんスマホだけでなく、ほかのAndroidスマホやiPhoneでも使える仕様になっているそうだ。ただし、一般ユーザーがアプリストアから入手することはできず、実証実験に参加した場合に限り、招待コードを用いてインストールできる仕組みになっている。

 アプリのUIを担当した上野さんは、「うごくま」のプロジェクトがスタートした2018年10月から開発に携わっている。ひと口にシニアと言っても、ユーザーのライフスタイルや健康状態などはさまざまだ。シンプルな操作性を実現する上で、最も重視したのは「ペルソナ」だと言う。ペルソナとは仮説のユーザー像といったものだが、「さまざまな仮説を立ててアプリを設計し、高齢者の方に使っていただいたりする過程で、まさにペルソナに合致する方に出会えました。以降、より具体的なイメージを持って開発を進めることができました」(上野さん)と言う。

アプリのUIを担当した上野直哉さん。「シニアの中には、すでにウォーキングを習慣化されていて、スマートウォッチなどを使っていらっしゃる方もいる。うごくまは、そういう方々ではなく、ウォーキングが良いとわかっていても、なかなか習慣化できない人に向けて開発しました」

 「うごくま」は季節によって背景が変わったり、セリフが追加されたり、これからも進化を続けるとのこと。アプリ開発マネージメントを担当し、鳥取県江府市での実証事件も担当した太田啓介さんは「かんたんスマホ3を使っていただいたユーザーの声も聞いて、これからもバージョンアップさせて、よりよいものにしていきたい」と言う。

アプリ開発マネージメントを担当する太田啓介さん。「あくまでもユーザーにとって使いやすいかどうかを重視し、本当に必要な機能を使いやすく搭載するように努めました」と言う

シニアが安心して使える便利機能が充実

 かんたんスマホ3は「うごくま」アプリのほかにも、シニアにとって便利な機能が搭載されている。まず、「迷惑電話対策」機能だ。迷惑電話と思われる電話がかかってきた場合に警告が表示され、電話に応答してしまった場合にも通話が録音されるので、あとで対策を講じられる仕組みだ。

迷惑電話の疑いがある電話がかかってきた場合に、すぐに気づくことができる

 従来モデルから人気の「押すだけサポート」も進化。着信音が鳴らない、インターネットにつながらないといったトラブルが発生した場合に、画面をタッチするだけで解決に導かれるアプリだが、かんたんスマホ3では、タッチの感度や音声の聴こえ方も調整できるようになった。自分で解決できない場合は、電話サポート(無料)に聞くこともできる。

従来からの人気機能「押すだけサポート」は、自分で解決できる症例が増えた

 初めてNFC、FeliCa(おサイフケータイ)に対応したことにも要注目。これにより、マイナンバーカードの読み取りも可能になったわけだ。

開発のリーダー役である、ソフトバンク プロダクト本部 UX企画4課 課長の山田聖人さん。「かんたんスマホ3は、過去のモデルではできなかったことも実現できた完成度の高い自信作」とアピールする

 ディスプレーは、従来モデルよりも大きい6.1型(2400×1080ドット)になり、5G(Sub 6)にも対応。4500mAhの大容量バッテリーを搭載しているので、電池持ちも安心。防水・防塵はもちろん、抗菌・抗ウイルスに対応し、汚れたら丸洗いすることもできる。スマホでは珍しく赤外線通信機能を搭載していることも特徴だ。これまでガラケーを使っていた人は、ガラケーの電話帳データをスムーズにスマホに移すことができる。

見やすい大画面ディスプレーを搭載していることも魅力。「PayPay」や「LINE」もすぐに使い始められる

ディスプレーの下にある3つの物理ボタンは従来モデルから好評で、最新モデルにも継承されている

背面カメラは約1600万画素

 Y!mobileは「60歳以上 通話ずーっと割引キャンペーン」(毎月1100円割引)で通話料が安くなることも利点。高齢の親にそろそろスマホを持たせたい、健康で長生きしてもらいたいと思っている人には、このかんたんスマホ3は格好のプレゼントとなりそうだ。

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