米スタートアップAnthropicは3月14日(現地時間)、ChatGPTのように自然言語で会話が可能なAIアシスタント「Claude」の一般公開を発表した。同社は元OpenAI社員によって起業され、2月にはグーグルがおよそ3億ドル(およそ400億円)を投資したことでも話題になった。
すでに多くの企業が採用
Claudeは、有益かつ正直で無害なAIシステムを構築できる次世代AIアシスタント。開発者はチャットインターフェイスとAPIを使ってClaudeにアクセスし、要約、検索、Q&A、創造的な文章作成、コーディングといったさまざまなタスクをこなすことができる。
これまでは主要パートナーと協力してクローズドアルファ版で開発が進められてきたが、このたびすべてのユーザーに向けて公開された。
ちなみに、DuckDuckGoが最近リリースしたAI検索ツール「DuckAssist」は、ChatGPTとClaudeを組み合わせて使用しており、Quoraが発表したチャットアプリ「Poe」や、Notionがリリースしたライティングアシスタント「Notion AI」にもClaudeが使われている。
今回公開されたのは最先端の高性能モデルである「Claude-v1」と、軽量かつ安価で、より高速な「Claude Instant 」の2モデル。
使用料金は入力/出力、それぞれの使用文字数で算出されており、「Claude-v1」は100万文字ごとに2.90ドル(入力)/8.60ドル(出力)、「Claude Instant 」は同じく100万文字ごとに0.43ドル(入力)/1.45ドル(出力)となっており、希望者は本日よりフォームから申し込むことができる。
「憲法AI」と呼ばれる原則ベースの技術を採用
ClaudeはChatGPT同様、違法または非倫理的な活動を教唆しない、あらゆる差別的な表現を避ける、といった訓練がされているが、Claudeはそれに加えて「Constitutional AI(憲法AI)」と呼ばれる独自技術を採用している。
憲法AIは、制定された約10の原則(principle)を元にAIの振る舞いを人間が意図するものに近づけるよう開発された技術。採用されている原則は公開されていないが、「beneficence(ポジティブな影響を最大化すること)」「nonmaleficence(有害なアドバイスをしないこと)」「autonomy(選択の自由を尊重すること)」という概念に基づくものだという。
なお、Anthropicはグーグルの他にも多数の投資家から資金提供を受けており、その中には破綻した暗号通貨取引所「FTX」のサム・バンクマンーフリード元CEOも含まれている。