法人向けは「VAIO Pro BK」「VAIO Pro BM」
VAIO、新シリーズ「VAIO F14」「VAIO F16」を発表~上質とちょうどいいの両立
「普通」と言ってくれることが、むしろ嬉しい
VAIOで製品開発を担当している黒崎氏は「昨年はPC業界に厳しい1年だったが、VAIOとしては成長の1年となり、法人領域を中心に出荷量を増やせた」と話す。背景として、コロナ禍における働き方の変化で、高付加価値なモバイルPCを求めるニーズが上がっており、それとうまくマッチできた点が挙げられるという。
しかし、「こうした付加価値を求めている人はまだ一部であり、その価値をより多くの顧客に届けていきたいと思っている」とも語った。
その一方で、「個人市場におけるパソコンは以前のような嗜好品ではなく、必需品になっているが、製品を選ぶ際の評価基準が変化している」とも指摘。消費者は「心地よさ、デザイン、ちょうど良さ、タイパ、コスパなどを重視している」が、パソコン市場では依然として一般的には分かりにくいスペックの訴求に偏っている傾向があり、ギャップのひとつになっている。こうしたギャップは法人市場でもあり、「テレワークが浸透し、パソコンが働く環境のすべてと言ってもいい状況だが、従来の法人向けPCの選定基準は価格重視という面があり、時代とのずれがある」とした。
新しいVAIO Fシリーズの開発においては、こうしたギャップを埋める“新しいスタンダード”を作ることが、開発陣のモチベーションとなったという。「Windows搭載PCの定番と言われても、中々思いつかない面があり、買いやすく便利なだけでなく、愛や愛着を持てるもの、スペックだけではない価値を求めてきたVAIOならではの取り組みを反映しようとしている」と黒崎氏は語った。その思いについては、開発主旨の説明書類の中でも詳しく触れたという。
VAIO Fシリーズの開発に当たっては、パソコンの当たり前を見直すこと、変化する生活への対応、VAIOならではの価値の継承などがキーとなった。変化する生活については、大画面とコミュニケーションを重視。大画面はリモートワークの環境で特に重要なものとなった。また、ウェブ会議はこれまでのPCにも搭載されていたが、今まで以上にプライオリティが高まっている。
当たり前を見直すという面では、従来の常識を棚卸ししたという。伸ばすべきところ削るべきところを整理し直し、最適な商品として落とし込んだ。合わせて上位モデル機能の継承をしている。
こうした試みを説明した最後に黒崎氏は「市場では普通のパソコンと受け止められるかもしれないが、それは誉め言葉。意志をこめて普通のPCを作り上げたと胸を張る」と語った。
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