「牛カルビ丼」
すき家
2月15日発売
650円(並盛)
https://www.sukiya.jp/news/2023/02/20230208.html
「おいしくなって新登場」的なやつ
「おいしくなって新登場!」というキャッチコピー、目にする機会は多いものです。もちろん、本当においしくなっている(と感じる)場合もあれば、賛否両論を巻き起こすリニューアルの場合もありますし、こっそりと量を減らしたり値上げしたり……というケースもあります。
すき家は「牛カルビ丼」を2月15日から販売中。なんでも“パワーアップ”したそうです。「パワーアップして新登場!」もよくあるパターンだなと思いつつ、食べてみないことにはわかりません。
具体的に、どこがパワーアップしたのでしょうか? すき家によれば、牛肉の量が増量したほか、「特製焼肉だれ」がリニューアルしたとのこと。
にんにくやリンゴなどの配合を見直し、ごはんが進む味わいになるよう仕上げられたそう。また、牛肉は注文ごとに店内で焼き上げられ、できたての味を楽しめるとしています。
今回は新商品の「海老つみれ汁」と、玉子のセットにしてみました。合計で880円となります。
タレの味がわかりやすくなった
当たり前ですが、カルビ丼なので、構成要素は非常にシンプル。ごはんの上に焼いたカルビ、以上! という潔さです。それではちょっとさびしいという人は、「にんにく牛カルビ丼」(並盛710円)や「キムチ牛カルビ丼」(並盛800円)などもありますので、そちらを選ぶのもよいかと。
焼肉ダレは別添えになっていました。やはり、このタレがポイントになるでしょう。旧商品と食べ比べできるわけではないので、記憶を頼りにレビューしなければならないのが、もどかしいところはあるのですが……。
しっかり焼肉ダレをかけて食してみたのですが、焼肉のタレ! という味です。これだけ書くと「焼肉ダレなんだから当たり前だろう」とボコボコにされそうですが、この感想こそがふさわしい。濃くて、甘味もあり、わかりやすい。にんにく、リンゴの香りが効いているため、我々が「焼肉のタレ」と聞いてイメージする、まさにアレなのです。
カルビの肉自体はすこし固めですが、押し出しの強い、わかりやすい味のタレと絡みあった際の相性は悪くありません。肉の歯ごたえ+濃い目の味付け。シンプルに「焼いた肉を食べている」という印象を与えてくれます。
牛肉の量は……増量したと言われれば、そうでしょう。大盛り! というほどではないですが、「少ないのではないか」と寂しくなることもないですね。タレの主張が強いので、肉の量は多すぎるよりもこれぐらいがちょうどよいのかもしれません。
すき家は牛丼チェーンの中でもトッピング(バリエーション)が多いことがウリなので、さまざまな具材を受け止める土台として、牛カルビ丼そのものをしっかりした仕上がりにしようとしているのでしょう。
そういった味なので、玉子との相性はとてもよろしい。まろやかなコクをもたらす玉子が全体をまとめますし、タレの味の作りがしっかりしているので、白身が絡んでも味がぼやけないのです。
定番の牛丼や、他チェーンの焼肉丼的なメニューなどと比較しても、ガツンとくるインパクトは高めになっています。まろやか、穏やか……そんなメニューではありません。そういうものを求めるなら他のメニューをどうぞ、ということなのでしょうね。
海老つみれ汁は春を感じます
今回セットにしたのは、期間限定の海老つみれ汁。海老つみれは、ふわふわのタネに海老の身を混ぜ込み、海老の旨みや食感の違いを楽しめるよう仕上げています。旬を迎える菜の花のほろ苦さも特徴ですね。
みそ汁のダシにはカツオ・サバ・サケ・ニボシなどを使用しているそう。海老の香りもあって、牛丼などよりは「まぐろたたき丼」などと合わせたい気がしました。春を感じさせる一杯です。
個性がしっかりした感じになりました
すき家の牛カルビ丼、確かに新しくなっていました。焼肉ダレが変わったとうたうだけあって、ごはんが進むというか、より輪郭のくっきりした味わいになっている。牛肉が増量したことも手伝って、食べごたえが増したように思います。
「おいしくなって新登場!」というより、「パワーアップ!」という印象です。個性がしっかりと増したわけで、これが好きだという人もいれば、「もうちょっと、丸みがあったほうが……」と感じる人もいるはず。後者なら、他のメニューを頼むのもよいですが、玉子をセットにしてみるのもアリですよ。
モーダル小嶋
1986年生まれ。担当分野は「なるべく広く」のオールドルーキー。編集部では若手ともベテランともいえない微妙な位置。一人めし連載「モーダル小嶋のTOKYO男子めし」もよろしくお願い申し上げます。
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