ゲーミングは大きなキーワードのひとつ
日本におけるインテルの取り組みも、鈴木社長が「切り開くために、新たなことに挑戦する1年になる」というように、新たな施策が相次ぎそうだ。
日本における具体的な施策については、今後、明らかになっていくことになるだろうが、すでに昨年から、切り開くための新たな動きが表面化しているのも事実だ。
たとえば、インテルでは、日本におけるゲーミング分野およびクリエイター領域の活性化に向けた活動を開始。ゲーミングでは、2022年6月に、インテル Blue Community Projectをスタート。ゲームソフトウェア開発メーカー、 PCメーカー、周辺機器メーカーなどとの連携のみならず、ゲーマーコミュニティを形成することで、ゲーミング市場を活性化。さらに、ゲーミングコミュニティーサイトである「RUGs(ラグス)」を開設して、ゲーマーのための情報を発信したり、インテルCPUを搭載したゲーミングPCに関する最新情報を発信したりしている。また、インテルは、2022年10月に開催された東京ゲームショウにも出展。同社ブースには、PCメーカー10社、ゲームソフトウェア開発メーカー9社が展示し、会期中に約5000人が来場したという。
鈴木社長は、「ゲーミングにおけるCPUやGPUの性能の高さを伝えるだけでなく、エンドユーザーとの接点で、使い方をわかりやすく伝え、具体的な利用シーンを示し、それと同時に、ゲーム開発者を支援することに取り組んでいく」とする。
一方、クリエイター領域においては、2022年3月から、クリエイター向けプロジェクト「Blue Carpet Project」を開始。最新PCやテクノロジーを通じて、クリエイターの創作活動をサポートすることを目指し、トップクリエイターを中核としたコミュニティであるインテル Blue Carpet クラブの設置、学生向けアートフェスの開催などによる次世代クリエイターの育成、クリエイター向けのセミナーやワークショップ、コンテストも開催している。
「クリエイターに、最新のテクノロジーに触れてもらう機会を増やすだけでなく、好きなことを始められたり、新たなテクノロジーの使い方をクリエイター同士で共有したりするためのサポートを行う。インテルは、クリエイターに、しっかりと寄り添っていく」とする。
ゲーミング分野やクリエイター領域の活動は、一時的なものではなく、2023年も、新たな活動を盛り込み、より進化させながら、継続的に実施していくことになるという。
デジタル人材の育成も
さらに、2022年は、エンタープライズ領域でも新たな取り組みを開始。日本のSaaS事業者を対象としたビジネス促進支援や技術支援活動を行う「インテルSaaS Market Acceleration Program」により、ビジネス面、技術面の双方から支援することで、最終的には、日本の中小企業のクラウド活用を促進することにつなげるという活動を行っている。これも2023年には、さらに活動を強化する考えだ。
そして、デジタル人材を育成し、地域のデジタル実装を目指す新たな活動拠点となる「インテル・デジタルラボ」の活動も加速させている。インテル・デジタルラボを構成するのは、STEAM教育向けのSTEAM Lab、地方自治体や地方公共団体、企業などを対象に、デジタル教育やデータ活用に関する研修などを行うDX/DcX Lab、高等教育機関や企業、一般市民などを対象にAIに関する教育を行うAI Lab、クリエイターなどを対象にコンテンツ制作のための活動を行うCreative Labの4つであり、これらのラボを通じた活動を、全国規模で強化することになる。
インテルの鈴木社長は、「ゲーミング、クリエイター、SaaS事業向けの取り組みなどは、いずれもインテルが得意とする『つなぐ』という観点から、市場を活性化していく施策である。ただ、より市場を活性化するには、それぞれの市場を、インテルが『学ぶ』、『知る』ことが大切である。わからないことがあれば、それを知るための努力をしていかなくてはならない。市場から学んだことを、製品やサービス、施策に活かし、日本の市場を活性化したい。これも、新たに切り開いていくことにつながる」と語る。
2023年に、インテルは、日本の市場において、どんな「肇」を新たに展開することになるのか。その姿は、1年をかけて。、少しずつ明らかになっていきそうだ。
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