九州大学と名古屋大学の研究グループは、ナトリウムイオン全固体電池の高性能な電極を作製する方法を開発した。
九州大学と名古屋大学の研究グループは、ナトリウムイオン全固体電池の高性能な電極を作製する方法を開発した。 研究グループは、セラミック電解質の材料としてナシコン型Na3Zr2(SiO4)2(PO4)(略称:NZSP)を、電極の材料としてナシコン型Na3Ti2(PO4)3(略称:NTP)を選んだ。電池性能を向上させるためには、焼結によって電極材料と電解質材料を緻密化させる必要があるが、⾼温にさらすことで意図しない反応発生し、特性を損ねてしまう課題があった。そこで、研究グループはNTPで一旦ガラスを作り、その粉末を固体電解質に塗布して加熱する方法を採用した。これにより、比較的低温で材料を緻密に密着させることができる。粉末の塗布には、比較的利用しやすいスピンコート法を採用。1マイクロメートルほどの薄さでの塗布を目指し、薄型化にも取り組んだ。 こうして出来上がった固体電解質と電極を接合したもの(半電池)は、2.2Vで充放電ができ、優れた繰り返し充放電特性を発揮した。マイナス20℃の低温環境でも容量の低下はあるものの、一般的なリチウムイオン電池に比べて優れた温度特性を⽰したという。 研究成果は12月28日、ACSアプライド・エナジー・マテリアルズ(ACS Applied Energy Materials)誌に掲載された。(笹田)