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渡辺由美子の「誰がためにアニメは生まれる」 第53回

【後編】『機動戦士ガンダム 水星の魔女』プロデューサー岡本拓也氏インタビュー

『水星の魔女』を世に送り出すうえで考えたこととは?――岡本拓也P

2023年04月09日 16時00分更新

文● 渡辺由美子 編集●村山剛史/ASCII

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後編でも引き続き、『機動戦士ガンダム 水星の魔女』プロデューサー・岡本拓也氏に、オープニングテーマ・MV・PROLOGUEなど『水星の魔女』を世に送り出す上で、周辺施策の展開にどのような狙いがあったのかを語っていただいた

前編はこちら

「従来の『ガンダム』に捉われない、新しい切り口で届ける」

 前編に引き続き、『機動戦士ガンダム 水星の魔女』(以下『水星の魔女』)のプロデューサー、株式会社バンダイナムコフィルムワークス岡本拓也氏へのインタビューをお届けする。

 4月9日(日)からSeason2が放送開始する『機動戦士ガンダム 水星の魔女』は「学園もの」を始めとする新しい要素を加えることで、これまでガンダムを観たことがなかった若者や女性層を取り込み、幅広いファンの獲得に成功した。

 放送される度にSNSでも話題となり、多くの視聴者のつぶやきやイラストが投稿されている。その熱は1週間持続し、次回放送まで視聴者の興味が薄れずに保たれる――まるでSNSマーケティングのお手本のような盛り上がりがそこにはあった。

 「従来の『ガンダム』の手法に捉われない、新しい切り口で届けることを意識した」と岡本プロデューサーは語る。その新しさを貫くために岡本Pが心がけたことや狙いとは?

『機動戦士ガンダム 水星の魔女』Season2 STORY

A.S. 122――
数多の企業が宇宙へ進出し、巨大な経済圏を構築する時代。

水星からアスティカシア高等専門学園に編入してきたスレッタ・マーキュリーは、ミオリネ・レンブランの花婿として、株式会社ガンダムの一員として、出会いと刺激に満ちた学園生活を送ってきた。

プラント・クエタでの事件から2週間。スレッタは学園で、ミオリネとの再会を心待ちに日々を過ごす。一方ミオリネはベネリットグループ本社に身を置き、父の容態を見守っていた。二人に襲い来る新たな困難と、迫られる決断。少女たちはそれぞれの想いを胸に、ガンダムがもたらす強大な呪いへと立ち向かっていく。

スタッフ
企画・制作:サンライズ/監督:⼩林 寛/シリーズ構成・脚本:⼤河内⼀楼/原作:矢立 肇、富野由悠季/キャラクターデザイン原案:モグモ/メインキャラクターデザイン:田頭真理恵/キャラクターデザイン:戸井田珠里、高谷浩利/メカニカルデザイン:JNTHED、海老川兼武、稲田 航、形部一平、寺岡賢司、柳瀬敬之/チーフメカアニメーター:久壽米木信弥、鈴木勘太、前田清明/副監督:安藤 良、綿田慎也/テクニカルディレクター:宮原洋平/設定考証:白土晴一/SF考証:高島雄哉/メカニカルコーディネーター:関西リョウジ/設定協力:HISADAKE/プロップデザイン:絵を描くPETER、えすてぃお/美術デザイン:岡田有章、森岡賢一、金平和茂、玉盛順一朗、上津康義/コンセプトアート:林 絢雯/美術監督:佐藤 歩/色彩設計:菊地和子/音響監督:明田川 仁/撮影監督:小寺翔太/3DCGディレクター:宮風慎一/モニターグラフィックス:関 香織/編集:重村建吾/音楽:大間々 昂/製作:バンダイナムコフィルムワークス、創通、MBS/オープニングテーマ:yama「slash」

キャスト
スレッタ・マーキュリー:市ノ瀬加那/ミオリネ・レンブラン:Lynn/グエル・ジェターク:阿座上洋平/エラン・ケレス:花江夏樹/シャディク・ゼネリ:古川 慎/ニカ・ナナウラ:宮本侑芽/チュアチュリー・パンランチ:富田美憂/プロスぺラ:能登麻美子/デリング・レンブラン:内田直哉

Season2 放送・配信情報
2023年4月9日から毎週日曜午後5時 MBS/TBS系全国28局ネットにて放送開始

AT-X:4月18日から毎週火曜午後10時/毎週木曜午前10時/毎週月曜午後4時
アニマックス:5月6日から毎週土曜午後7時

バンダイチャンネルほかで配信。サービス一覧はこちらから。

公式サイトURL https://g-witch.net/
Twitterアカウント @G_Witch_M

話題を呼んだ小説「ゆりかごの星」は
オープニングテーマ「祝福」制作のために書き下ろされたもの

―― YOASOBIさんのSeason1オープニングテーマ「祝福」も話題になりました。『水星の魔女』の世界観を表わしていて感動したのですが、どのようにして作られたのでしょうか?

岡本 YOASOBIさんにオープニングテーマを担当いただくことが決まり、決定と同時に「楽曲の原作となる小説を書いてほしい」というご提案がYOASOBIさんからあったんです。

 そこで、シリーズ構成・脚本の大河内一楼さんに『水星の魔女』の小説「ゆりかごの星」を書き下ろしていただきました。

大河内一楼さんが、オープニングテーマ「祝福」のために書き下ろした小説「ゆりかごの星」は、『水星の魔女』の公式サイトで公開中

―― では流れとしては小説が書かれて、そこから楽曲が作られた。「祝福」のクレジットに「原作小説:ゆりかごの星(著:大河内一楼)」とあるのはそれを表わしているんですね。

岡本 そうなんです。面白い作り方になりました。通常は監督がアーティストの方にテーマやキーワードをお伝えして、そこから楽曲を作っていただくことが多いのですが、今回は小説が発注書の役割を果たしました。

―― 面白い試みですね。現場の段取りがちょっと大変そうですが。

岡本 本編のお話を考えながら、小説を書いていただくことになりますからね。今回は小林監督にオープニングテーマを通して届けたいことや作品のテーマやコンセプトを書いたメモを作成いただきつつ、大河内さんに小説を書いてもらう、という手順を踏みました。

 それをYOASOBIさんにお渡しして、上がってきたのが「祝福」でした。限られた情報の中から作品の本質を導き出せるのは、やはりYOASOBIさんのすごさだなと思います。

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