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PFNが深層学習を高速化する専用チップを発表、演算性能は3倍

2022年12月20日 06時44分更新

文● MIT Technology Review Japan

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人工知能(AI)スタートアップのプリファードネットワークス(PFN)は2022年12月14日に、深層学習を高速化する専用プロセッサー「MN-Core 2」を発表した。2024年度中の稼働に向け、MN-Core 2を搭載した新しい大規模クラスター「MN-4」を構築する予定だという。

人工知能(AI)スタートアップのプリファードネットワークス(PFN)は2022年12月14日に、深層学習を高速化する専用プロセッサー「MN-Core 2」を発表した。2024年度中の稼働に向け、MN-Core 2を搭載した新しい大規模クラスター「MN-4」を構築する予定だという。 MN-Core 2は7ナノメートル(nm)のプロセッサーとして開発され、12nmで開発した同社製プロセッサー「MN-Core」と比較して、ラックあたりの演算性能が約3倍、電力性能(GF/W)が約33%向上している。プリファードネットワークスはすでに、画像認識や材料探索など実用的なワークロードにおいてMN-Core 2の動作を確認済みで、深層学習モデルのさらなる精度向上と高速化に寄与することが期待されるという。 同社は同日、併せて、これまで自社プロジェクトでの利用に制限してきたMN-Core搭載スーパーコンピューター「MN-3」の計算資源を、2023年春を目途にパートナー企業向けに提供開始することも発表した。MN-3は2020年から稼働しており、2020年6月から2021年11月までの間、スーパーコンピューターの省電力性能ランキング「Green500」で世界1位を3度、獲得した。 プリファードネットワークスが神戸大学と共同開発しているMN-Coreシリーズは、深層学習の特徴である「行列演算」に最適化した専用チップである。ネットワーク制御回路やキャッシュコントローラ、命令スケジューラなどの機能をコンパイラに持たせて、チップには最小限の機能のみを内包することで、コストを抑えつつ、深層学習における実効性能を高めている。

(中條)

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