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「たてもの」と「まち」のイノベーション第15回

赤道直下に住まう「GREEN FLOAT」:

「海に浮かぶ100万人都市」清水建設のとんでもない構想

文●ASCII 漫画● ほさかなお

提供: 清水建設株式会社

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ひょうたん島とジュール・ベルヌ

── それにしても、現代建設技術の粋を集めてひょうたん島のようなものを作るというのがあらためて面白いですよね。あっちも漂流しているだけで推進部はないですし。

吉田 ジュール・ベルヌに「動くスクリュー島」という物語があるんですが、スクリュー島は直径2kmくらいの楕円形でスクリューを持っているんです。それが西海岸から太平洋の真ん中まで流れていくという話ですごく面白いんですよ。

── 発明物語では「フランク・リード」というシリーズも面白いですよ。蒸気機関時代に書かれた話なんですが、蒸気で動くロボットが馬車のウマを引いていたりする。ホテルのボーイみたいに礼儀正しいやつがクルマを引くのだというもので、その時代の人たちが期待していたものが見えてくる。ベルヌはどちらかというと科学的ですよね。

吉田 そうですね。スクリュー島も自給自足できているとか、鉄でできているとか、科学的な裏付けっぽいものがあるんです。面白いのは、島に住む4人の音楽隊からの視点から島の生活を描いているので、描写が第三者的なんですよ。

── ナント島にはジュール・ベルヌをイメージした施設がありますよね。そこにスクリュー島があったらよかったですね。

吉田 まあ、ベルヌ作品の中でスクリュー島だけヒットしなかったんですけどね……。

── なんというか今はまたそういうベル・エポックというか後期産業時代というか、そのくらいの切り替わり期という気がしますよね。

吉田 産業革命後に人類の可能性が広がって、かつ人口も爆発してしまいましたからね。いま気候変動になって、この後はどうなるのかと。

── 境目って感じですよね。蒸気からガソリンになったり、空を飛びたくなったり、エジソンが出てきたり。設計力やITの力が原動力になって、そういったものが入り混じって相転移が起きつつある感じというか。GREEN FLOATも一見ぶっとんだ話ですけど、もうそれくらいのスケールで考えないとダメな時代なのかもしれないですね。

清水建設本社GREEN FLOAT模型の前で

 

(提供:清水建設株式会社)

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