このページの本文へ

パソコンショップSEVEN中嶋氏、真重氏、ASRock原口氏にインタビュー

バズったASRock「LiveMixer」を最大限に活かすBTOPCが、ゲーム実況に最強過ぎる件

2022年12月13日 11時00分更新

文● 宮崎真一 編集●八尋/ASCII

提供: セブンアールジャパン

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

ゲーム実況に特化したEFFA G27CUE
Z790 LiveMixerとキャプチャーカードを採用

──今日はよろしくお願いします。まず、EFFA(エファ)というシリーズ名の由来を教えてください

中嶋 孝昌氏(以下、中嶋氏):動画配信を始めとしてクリエイティブをイメージした名付けになっています。これまでのゲーミング向けのZEFTシリーズとは別の、新たなラインナップとなります。

──EFFAシリーズを手掛けるのは、配信用途で購入する人が多いということなのでしょうか?

中嶋氏:お客様が明確に配信用途と明言されているわけではないのですが、BTOでキャプチャーカードを選ばれる方がとても増えてきています。とくに問い合わせで多いのが、メインの用途はゲームでも、配信や動画編集も視野に入れたパソコンがほしいというものです。そういったお問い合わせを見ても、お客様にとって配信や動画編集にかなり関心が強いようで、今回EFFAシリーズを新たに作ることで、より分かりやすくパソコンを選んでいただけるようになるのかなと思っています。

真重 翔氏(以下、真重氏):近年、自分もゲームの実況配信や動画の投稿・編集をやってみたいという方が増えているような気がしていましたが、どれくらいのニーズがあるのかの実態がつかめていないという現状がありました。そこで、2022年の2月頃に「ゲーム実況・配信向けのスペックを持つパソコン」に限定した人気ランキングページをサイトに掲載してみました。すると、思ったよりも反響があったので、次はそのニーズにこたえよう、という経緯でEFFAシリーズを立案しました。

──メインのターゲット層はどんな方を想定されていますか?

真重氏:EFFAシリーズでは、ゲームの動画配信に興味がある20代後半から30代前半くらいの方をメインターゲットとして考えています。業務用レベルのハイエンドも含め、幅広いラインナップを用意するつもりですが、「自分も配信活動をやってみたい」と思い立った方向けのカジュアルなラインをとくに充実させていきたいと考えています。第1弾としてご用意させていただいたEFFA G27CUEも、そのあたりを意識してパーツ構成を考えております。このモデルの場合は「配信者向けマザーボード」というコンセプトで発売直後から話題になっていたASRockさんのマザーボードのZ790 LiveMixerと、配信向けのキャプチャーボードを搭載しているのが特徴です。今回はASRockさんからZ790 LiveMixerを企画された原口さんが来てくださっているので、私もぜひお話を伺ってみたいです。

EFFAシリーズは、マーケターの真重 翔氏が立ち上げた企画とのこと。真重氏は「自分も動画配信してみようかなと思い立ったときに、選んでいただけるとうれしいですね」と語ってくれた

──ということは、EFFAシリーズの特徴として、キャプチャーカードが搭載されているということになるのでしょうか?

中嶋氏:はい、それも1つの特徴です。AVerMediaさんのキャプチャーカード「Live Gamer 4K GC573」を採用しています。付属ソフトを使用すれば、YouTube、Twitch、ニコニコ生放送などのアカウントを登録するだけで配信を行なうことが可能です。もちろん、このパソコンだけでPCゲームの配信を行なえますが、このキャプチャーカードには入力端子と出力端子としてHDMIを1基ずつ備えていますので、Nintendo SwitchやPlayStation 5をパススルー接続して、これらのゲーム機の画面をリアルタイムで見ながら、配信したり録画したりすることも可能になっています。さらに、それ以外にも、今回のEFFA G27CUEでは、マザーボードにASRockさんの配信向けモデルの「Z790 LiveMixer」を採用している点も大きな特徴です。このマザーボードを採用したことで、EFFA G27CUEがお客様目線で配信向けであることがより分かりやすくなったのではないかと考えています。

EFFA G27CUEでは、キャプチャーカードとしてAVerMedia製の「Live Gamer 4K GC573」を標準で搭載する

SNSでバズったLiveMixerを採用
派手なデザインでUSBをなんと23基搭載!

──では、Z790 LiveMixerの特徴を教えてください。

原口 有司氏(以下、原口氏):Z790 LiveMixerは、昨今の環境の変化により登場したマザーボードです。コロナ禍の巣ごもりで、パソコンを使ってゲームをプレイする方が多くなり、自分のプレイを友達に見せたかったり、身内向けでSNSに自分のハイライトシーンを公開したりと、ゲームをプレイするうえで、ほかの人と何かを“共有する”といったコンセプトで、Z790 LiveMixerを用意させていただきました。ガチガチな配信者だけでなく、これから配信を始めてみたいと考える人のどちらでも満足できる1枚になっています。

──すごく個性的なデザインですよね。

原口氏:配信者の方は自分なりの個性をアピールし、ほかとは異なる独自性を持っていると思います。その個性の一助になるような思いで、Z790 LiveMixerは派手なカラーリングにしてみました。当初、ヒートシンクのカラーリングは、青色などほかの色のデザイン案もあったのですが、白いケースと黒いケースのどちらでも合うように紫色にしました。

──主な特徴を教えてください。

原口氏:Z790 LiveMixerのわかりやすい特徴として、USBが23基用意されている点が挙げられます。配信者の方にはUSBから給電するシーリングライトを複数使っている方もいらっしゃいまして、そのほかにもマイクやヘッドフォン、キーボード、マウス、Webカメラと、配信を行なうにあたり非常に多くのデバイスをUSBでパソコンに接続しているのが実情です。Z790 LiveMixerであれば、そういったデバイスをつなぎ直す必要がないほど、十分なUSBを用意しています。

──USBが23基はすごいですね。

原口氏:ちなみに、Z790 LiveMixerの10G LANやThunderbolt 4といった機能は、配信者にはあまり必要とされませんので、そういった機能を省いて、できるだけコストも削減しています。もちろん、配信者であってもゲームを快適に安定してプレイできることは必須条件ですので、Z790 LiveMixerでは14+1フェーズの電源回路や、ニコチンさんの製品寿命1万2000時間を誇るコンデンサを採用するなど、上位モデルのSteel Legendを踏襲した高い安定性を誇ります。

Z790 LiveMixerは原口氏の企画によるものという

中嶋氏:弊社では、ASRockさんのマザーボードですとProシリーズやSteel Legendシリーズを取り扱ってきましたが、今回のLiveMixerはその間に置かれるモデルということでしたので、弊社のラインナップも厚みが増えることになって、ありがたい存在です。また、今回、EFFAシリーズでZ790 LiveMixerを採用していますが、ほかのZEFTシリーズでもこのマザーボードをBTOに用意しますので、多くのUSBが必要な方などは、BTOでZ790 LiveMixerを選んでいただけたらと思います。

原口氏:Z790 LiveMixerに関して付け加えると、USBのポート数が多いと干渉してしまって速度低下が起こる場合があるのですが、Z790 LiveMixerではゲームで使用するマウスやキーボードを優先的に処理できる「Lightning Gaming Ports」というUSBポートを2基用意しています。さらに「Ultra USB Power」と呼ばれるUSBポートも、2基備えています。従来USBでは+5Vの電力供給が行なわれていますが、これらのポートではその+5Vを+12Vから生成しています。これにより、デバイス接続により電圧のブレが発生しなくなり、しかも変換の際にジッターなども除去していますので、USBデジタルオーディオでは音ズレやノイズも発生しなくなります。

USB端子を大量に用意しているだけでなく、「Lightning Gaming Ports」も2基備わっている

中嶋氏:USBの数をただ単に増やすだけではなく、ゲーミング向けやオーディオ向けなど、それぞれ特化したポートが用意されている点は好印象ですね。

真重氏:原口さんもおっしゃっていましたが、複数のシーリングライトをUSB接続する配信者の方もいらっしゃると思います。また、最近ではゲーム実況をしながら歌を収録してみたり、作曲を手掛けたり、イラストを描いてみたりと、1台のパソコンでやりたいことが増えてきている感じもしています。そういった意味では、USBポートの多さは魅力的ですね。それから、Z790 LiveMixerは、ビビッドな色彩の映えるビジュアルに仕上がっていて、見た目もカッコいいです。ハイエンドなマザーボードには光るモデルも多いですが、マザーボード自体に派手な装飾があるものは結構珍しい気がしますね。

Z790 LiveMixerは個性を発揮したいクリエイターの方に支持されそうなマザーボードだと話す真重氏

──Z790 LiveMixerはフロントパネル用に9基のUSBがありますが、それを全部活かしきる構成というのは草案に挙がりませんでしたか?

中嶋氏:どうしてもこの部分に関してはケース次第のところがあり、諦めなくてはいけなかった部分です。新しく発売されるケースはよりフロントUSBが充実してくると思いますので、今後に期待しています。フロントパネル用のUSBが9基あると、多くのケース前面に問題なく対応できるので、ケースの種類が多い弊社にとっては現時点ですごくありがたい仕様です。

──EFFA G27CUEでは、CPUにCore i9や、GPUにより上位のモデルを採用しなかった理由はなんでしょうか?

中嶋氏:今回はプロ向けよりは、あくまでもゲーム用がメインで、そのついでに動画配信をしたり、コンシューマーゲームの画面をキャプチャーカードで撮り込んで動画編集をしたりといった用途を想定しています。そのため、超ハイエンドではなく、幅広いお客様がお求めやすいよう、コストパフォーマンスにも配慮した構成にしています。配信はまだ視野に入れている段階で、配信用途に特化した仕様に戸惑いを感じているお客様にとって、ベストな選択肢になっていると自負しています。もちろん、ハイスペックをご要望されるお客様もいらっしゃると思いますので、EFFA G27CUEとは別にハイエンドモデルも用意するつもりでいます。

EFFA G27CUEは幅広い層に満足いただけるとコスト面にも配慮したと語る中嶋氏

──電源ユニットが750Wなのも、そういったデバイスに合わせた選択ということでしょうか?

中嶋氏:そうですね。CPUやビデオカードのグレードに合わせて750Wの電源ユニットを搭載しています。マザーボードのZ790 LiveMixerには非常に多くのUSBが用意されていますが、そこにデバイスを接続しても十分な容量だと考えています。

──今回は、CPUに「Core i7-13700KF」を採用していますが、EFFAシリーズには、AMDのCPUを採用したモデルも用意されますか?

中嶋氏:はい。用意する予定です。用途によっては、CPUにコア数が必要な方もいらっしゃるので、そういった方はRyzen搭載モデルを選んでいただけたらと思います。

カテゴリートップへ