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佐々木喜洋のポータブルオーディオトレンド 第159回

ワイヤレス時代の新しいハイレゾコーデック「SCL6」「LC3plus」とは?

2022年11月14日 13時00分更新

文● 佐々木喜洋 編集●ASCII

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LE AudioのLC3を拡張したLC3plus

 次にLC3plusだが、これはMP3の開発でも知られるドイツフラウンホーファーIISが制定したコーデックだ。名称から明らかなように、LE Audio用のコーデックである「LC3」の上位バージョンである。CD品質の音源を、Bluetooth標準のSBCよりも効率的かつ高音質で伝送できる。また、LE Audioをサポートする機器は全てLC3をサポートしなければならない。

 フラウンホーファーIISのサイトによると、LC3plusはLC3を拡張し、96kHz/24bitまでをサポートするようだ。また、通信の安定性にも配慮している。具体的には、パケットの損失補完処理や誤り訂正機能を含むという。このことから、単純にLC3のハイレゾ版というよりは、LC3を機能強化したものと捉えた方がいいだろう。フラウンホーファーIISによると、BluetoothのA2DPプロファイルを介したやり取りが可能であるということなので、LE Audioとはまた別の普及を図るシナリオが考えられるのかもしれない。

 ワイヤレスイヤホンのユーザーは、引き続き音質を重視する傾向がある。「LDAC」や「aptX HD」などはすでに幅広い普及を始めているが、そうしたユーザーの趣向に押される形で、MQair(SCL6)やLC3plusなど新しいワイヤレス向けのハイレゾコーデックは市民権を得ていくのかもしれない。

訂正とお詫び:記事中に誤字があったため修正しました。(2022年11月16日)

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