仕事に差がつく!阿久津良和「Microsoft 365のスゴ技」 第45回
Microsoft Ignite 2022でお披露目となったMicrosoft 365の進化
2022年12月13日 10時00分更新
本連載は、マイクロソフトの「Microsoft 365」に含まれるSaaS型デスクトップ&Webアプリケーション(以下、アプリ)「Microsoft 365 Apps(Office 365)」について、仕事の生産性を高める便利機能や新機能、チームコラボレーションを促進する使い方などのTipsを紹介する。今回はMicrosoft Ignite 2022の発表内容に注目した。
近年のMicrosoftイベントといえば「Book of News」である。そのイベントで発表した新製品や新サービスを列挙したものだ。Microsoft Ignite 2022のBook of Newsはこちらだが、URLこそ「ja」を含むものの、本稿執筆時点で日本語は用意していなかった。
さて、最初はMicrosoft 365 Appsのリブランディング。本連載をご覧の方はご承知のとおり、タイトルを変更した2020年中旬の時点で現在の呼称を用いている。その後もオンプレミスのOffice Home & Business 2021や、大規模法人向けのOffice 365 F3/E3/E5はそのまま。今回のリブランディングで何らかの変更が加わるのかと思えば現状維持だ。Office.comは2022年11月以降、Windowsデスクトップアプリおよびモバイルアプリは2023年1月以降、新たなアイコンデザインを適用する。
筆者は非Macユーザーなのであまり詳しくないが、Microsoft Outlook for Mac(以下、macOS版Outlook)がフォーカスフィルターに対応する。macOSのフォーカスフィルターは選択したモードに基づいてアプリの動作をカスタマイズするものだ。macOS版Outlookはアカウントプロファイルに情報を取り込み、スムーズなハイブリッドワークを推進する。おそらくだが、始業・終業時間になると通知や外観、テーマが切り替わる仕組みだろう。提供時期は未記載である。
続くMicrosoft Outlook(以下、Outlook)デスクトップアプリ版とモバイル版、Microsoft Teamsは、会議の開催を支援する機能が加わる。昨今はチームメンバーが出社しているのか自宅勤務のか不明確だが、Outlookの会議スケジュールに自宅・オフィスなど作業場を示すアイコンを付与し、時間帯に応じて変化する。時間設定は事前にユーザーがカスタマイズせねばならず、スマートフォンのGPSと連動するといった動的な仕組みは含まれていない。他にもOutlookはメンション機能の強化やMicrosoft Teamsのチャットサポートなども加わる。これらの機能は2022年中に公開される予定だ。
SharePoint Online上のMicrosoft Streamが一般提供を開始したのは周知のとおりながらも、これを機に動画の検索・検出・再生・共有・埋め込み・録画が可能になる。動画はすっかり普遍的なコンテンツとなったが、Microsoftは録画済み動画に手描き入力など加工機能も加えた。モバイルでの可用性も高まり、2022年10月中にはスマートフォン版Microsoft Streamで各動画視聴も可能。筆者を含めた年配層はコンテンツの扱いを改める時期が来たようだ。
バックグラウンドの機能強化は他にもある。Microsoft SyntexはAIで非構造化コンテンツのインデックス作成・整理を行ない、Microsoft 365 Appsに検索・分析機能を提供する。Microsoftは業務に関わる作業に時間短縮やMicrosoft Dynamics 365との連携に有用だとアピールするが、こればかりは使ってみなければ分からない。Windowsのエクスプローラーが備える検索機能はWindows XP以降進化しておらず、Outlook on the webはand/or検索に対応しつつも、そこまでだ。Microsoft Syntexは2023年初頭に展開開始予定なので、そのときに改めて機能検証したい。
他にもMicrosoftエディターやメンション利用時の機能を強化するContext IQ、ツールボタンのパーソナライズ化、Microsoft Loop、ポータルサイトの改善など数多くの変更が加わった。Microsoft 365の進化は今後も止まらない。
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