NTTは9月29日、NTTグローバルデータセンターを通じ、総額約400億円を投じて京都府内に「京阪奈データセンター(仮称)」を建設することを発表。2025年度下半期よりNTTコミュニケーションズによってデータセンター関連サービスが開始される予定。
本データセンターの建設予定地は、京都府相楽郡の災害リスクが低い海抜約94mの平地で、大阪市、京都市、奈良市の中心からいずれも車で1時間以内にアクセスできるエリアとなっている。
建物は地上4階建て免震構造で、合計30MW(当初6MWから順次拡大)のIT機器向け電力容量を1万900平方メートル(4800ラック相当)のサーバールームに安定供給される。また、データセンターの国際標準Tier III基準相当の電力・空調・通信設備の冗長化、災害対策、充実したセキュリティーが備えられるほか、省エネ型の設備の充実により、サステナブルで安全なサービスを提供する。
地球温暖化の原因である温室効果ガスの排出量を削減するために、本データセンターでは、ユーザーの要望に応じて再生可能エネルギーを使って、CO2排出量を実質ゼロにできる体制が準備されている。
ネットワークに関しては、低遅延、大容量のバックボーン回線やアクセス回線の冗長化により高信頼の通信サービス提供はもちろん、各種クラウドやユーザーの拠点間を柔軟に接続できるコネクティビティーが、さらに、ユーザーの要望があれば他社ネットワークやISPを選択できるキャリアニュートラルなコネクティビティーが提供される。
本データセンターは、NTTグループの研究開発施設に隣接して建設することにより、IOWNの研究をさらに推進する。協賛企業などとともに商用化に向けた実証実験を行ない、将来的には「電力効率を100倍に(※1)」、「伝送容量を125倍に(※2)」、「エンド・ツー・エンド遅延を200分の1に(※3)」するオールフォトニクス・ネットワークなどの実現に寄与するという。すでに同様な取り組みを行なっているNTT Comの「東京第11データセンター」(東京都武蔵野市)に続き本データセンターにおいても、IOWNの試験環境を拡大することにより、NTTの研究資産を効率的に活用でき、研究成果の早期実用化が加速するとのこと。
(※1) フォトニクス技術適用部分の電力効率の目標値
(※2) 光ファイバー1本あたりの通信容量の目標値
(※3) 同一県内で圧縮処理が不要となる映像トラフィックでのエンドエンドの遅延の目標値