Ryzen 7000シリーズでの自作は超堅牢VRM採用のASRock「X670E Steel Legend」でキマリ

文●藤田 忠 編集●北村/ASCII

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

AM5で組むうえで覚えておきたい重要ポイント

 おなじみの迷彩デザインを採用する「X670E Steel Legend」。開封の儀でマザーボードを手にしてまず関心が向くのは、メモリースロットに貼られた「MEMORY INSTALLATION GUIDE」のシールだろう。

メモリースロットのシールが気になる

 このシールには、Socket AM5で自作するうえで、かなり重要なことが記載されている。超重要なのが、定番となるメモリースロット搭載順の下にある記載で、「The first boot may take some time. Please refer to the following~」とある。

 これはBIOS初回起動時(CMOSクリア後含め)に時間がかかることがあるということで、表には初回起動時に必要となる時間がメモリー構成ごとに記載されており、最も標準的なメモリー構成と言える16GB×2枚で1分40秒となっている。モニターに信号が来ないまま待たされる時間としては、初期不良や取り付けミスなどの不具合を疑うレベルだけに、目につくスロットに貼られているわけだ。

 この仕様はASRock AM5マザーボード特有というわけではなく、AMD AGESA(BIOS)の仕様になっている。ステッカーに貼られている時間よりも、テスト用にASRockから提供された1.07AS02のBIOSでは起動時間が短縮されているので、最新BIOSに更新するといいだろう。

AM5自作の注意ポイントになる初回起動時間。ちなみに、シールの糊面は紙なので、勢いよく剥がすと、切れ端が残ることも。この点も要注意だ

 実際にCORSAIR「DOMINATOR PLATINUM RGB 32GB」と、Samsung純正DDR5-4800 16GBメモリーを使って、電源オン~BIOS ASRockロゴ表示までの時間を計ると、初回起動時間は長くても40秒程度で、その後は13秒程度と普通と言える待ち時間になった。

 ただ、これはJEDEC準拠のDDR5-4800(BIOS AUTO設定)の場合で、XMP読み込み時や、クロック、CASを手動で設定した際は、おおむね30秒台前半になった。ちょっと長く感じるが起動までじっと待とう。

5GHzを超える高クロックの動作に最適な多フェーズ電源回路

 Socket AM5で自作するうえで、必ず押さえておきたいポイントを把握したあとは、「X670E Steel Legend」最大のトピックをチェックしていこう。

 まずは32スレッド、5GHzオーバー動作を実現するRyzen 7000シリーズに合わせて、より安定して電力を供給できるように設計された電源回路だ。「X670E Steel Legend」では、ASRock AM5マザーボードのハイエンドクラスに位置する「X670E Taichi」の24+2+1フェーズに次ぐ、16+2+1フェーズ SPS(Smart Power Stage)で構成されている。CPUクーラーの冷却性能次第では、Ryzen 9 7950の性能をさらに高めるオーバークロックも楽しめる。

16+2+1フェーズの電源回路を採用。ズラリとMOSFETやチョークコイルが並んでいる

CPU電源端子は8ピン×2仕様なので、CPUのオーバークロックに挑戦できる

 電源回路を構成する部品を見ていくと、PWMコントローラーにはRenesas「RAA229628」が採用されていた。そしてMOSFETには、ハイサイドとローサイドMOSFET、ドライバーICを1パッケージ化したDrMOSに、温度と電流センサーを加えた強化版DrMOSとなるSPSのRenesas「ISL99360」が採用されていた。

PWMコントローラーのRenesas「RAA229628」

マザーボードトップ側。6+2+1フェーズを搭載する

リア側は11フェーズ

SPSは、60Aまでの電力に対応するRenesas「ISL99360」を採用する

 電力の変換ロスは熱となる電源回路だが、多フェーズ化とともに、放熱ヒートシンクは強化されている。ヒートシンクの大きさ(表面積)=冷却性能となるため、「X670E Steel Legend」では、ヒートシンク側面をフィン形状にしたアルミブロック製大型ヒートシンクを採用している。

 8層基板と、基板の放熱効果を高める2オンスの銅箔層、そして大型化したヒートシンクでの放熱により、電源回路周りのエアフローが減少するオールインワン水冷ユニットを搭載した場合も、PCケースの吸排気によるエアフローで、電源回路の発熱を放熱できるようになっているわけだ。

スペースが限られる電源回路部だが、ヒートシンク側面をフィン形状にすることで、放熱面積を増やしている

トップ側ヒートシンク。MOSFETとチョークコイルは、熱伝導シートでヒートシンクと接触

リア側ヒートシンク。リアインターフェースカバーと一体にすることで、放熱面積を増やしている。スリットやフィンを設けることで、ヒートシンク内部に風の流れを生んでいる

 なお、電源回路周りを確認している際に、MOSFETの冷却とは別に、ヒートシンクが追加されているのに気がついた。リアインターフェースの下部に位置するが、これはAMD X670E/X670で採用されたデュアルチップセット用だった。2つ目のチップセットもそれなりに発熱するようで、フィン形状のアルミブロックヒートシンクが取り付けられている。

リアインターフェースとビデオカード向け拡張スロットの間に、大型ヒートシンクが取り付けられている

AMD X670E/X670マザーボードは、デュアルチップセット設計を採用。2つ目のチップセットがこれだ

2つ目のチップセット用ヒートシンク。高発熱に対応できるフィン形状になっている

過去記事アーカイブ

2024年
01月
02月
03月
04月
05月
06月
07月
08月
09月
10月
11月
2023年
01月
02月
03月
04月
05月
06月
07月
08月
09月
10月
11月
12月
2022年
01月
02月
03月
04月
05月
06月
07月
08月
09月
10月
11月
12月
2021年
01月
02月
03月
04月
05月
06月
07月
08月
09月
10月
11月
12月
2020年
01月
02月
06月
07月
08月
09月
10月
11月
12月
2019年
01月
02月
04月
05月
07月
08月
09月
10月
11月
2018年
02月
03月
04月
05月
06月
07月
08月
10月
11月
12月
2017年
01月
02月
03月
04月
06月
07月
08月
09月
10月
11月
12月
2016年
01月
02月
04月
05月
06月
07月
08月
11月
12月
2015年
02月
04月
06月
07月
08月
09月
11月
12月
2014年
02月
04月
05月
06月
07月
08月
09月
10月
11月
12月
2013年
01月
05月
06月
07月
10月
11月
12月
2012年
01月
03月
04月
05月
06月
08月
09月
10月
11月
2011年
01月
02月
03月
05月
06月
07月
08月
09月
11月
12月
2010年
02月
03月
04月
05月
06月
07月
08月
09月
2009年
04月
08月
10月
2008年
01月
02月
2007年
02月
03月
06月
07月
08月
11月
2006年
02月
03月
05月
06月
07月
08月
09月
2005年
07月
10月
2004年
08月
09月