性能は控え目なのでゲームには不向き
バッテリーは大容量
続いて性能面を確認すると、TM152M4N1はチップセットにMediaTekの「Helio P90」(MT6779)を搭載しており、メモリーは4GB、ストレージは64GB。ちなみに上位モデルの「TM152M8N1」はメモリーが8GB、ストレージが128GBとなっている。
Helio P90は2018年に発表された古いチップセットであり、今となっては性能が高いとは言えない。それゆえベンチマークの1つ「3DMark」を試してみたところ、グラフィックAPIの「Vulkan」をサポートしていないとして「Wild Life」のテストを実行できなかった。
また主要ゲームのグラフィック設定を確認すると、「PUBG MOBILE」はクオリティーを「HD」、フレーム設定を「高」までしか上げることができず、「原神」はデフォルトで「低」だが、その設定でも時々フレーム落ちすることがあった。加えてこのサイズのタブレットで画面上のパッドを操作するのはインターフェースの面で厳しいことから、大画面とはいえゲーミング用途にはあまり期待しない方がいいだろう。
ただ動画視聴や、ウェブ閲覧や標準のGoogle製アプリなどを利用する分には大きな不満が出るわけではない。また画面サイズが非常に大きいので、画面分割して複数のアプリを同時に利用するのにも適しており、閲覧用途を主体とすれば使い勝手は悪くないとも感じる。
一方で充実しているのがバッテリー容量で、8000mAhのバッテリーを搭載。試してみた限りでは、3時間以上動画をストリーミング再生してようやく半分を切るくらいなので、長時間の動画視聴にも問題なく耐えられるだろう。一方で急速充電にも対応はするものの、容量が大きいだけに充電に時間がかかるのには注意が必要だ。
最後にカメラだが、背面、前面ともに800万画素。ただフロントカメラはビデオ会議や生体認証でフル活用する一方、背面のカメラは活用する機会が少ない。カメラアプリも機能の充実度が高いとはいえないので、背面のカメラはおまけ程度に考えておいた方が良さそうだ。
【まとめ】コンセプトは面白いが割高な印象は否めない
まとめると、TM152M4N1はやはり15.6型という大画面が大きなポイントであり、その分サイズが大きく、性能は決して高いとは言えないが、用途を理解して活用すれば非常に有用なタブレットだといえる。ノートパソコンであれば15型クラスのものは多く存在するが、Androidとタッチ操作によってパソコンよりも手軽に動画やビデオ会議などを利用できるのはメリットだ。
一方で気になるのは価格。発表当初の価格はTM152M4N1が8万7780円、TM152M8N1が12万1980円となっているのだが、14.6型とディスプレーサイズが近くて性能がはるかに高く、ペン操作にも対応する「Galaxy Tab S8 Ultra」がAmazon.co.jpで、14万1800円で販売されている(執筆時点)ことを考えるとどうしてもコストパフォーマンスの低さが否めない。円安の影響も少なからずあるだろうが、せめてあと2万円安ければ……というのが正直なところだ。

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