ワイヤレスモデルがメインの「REALFORCE R3」に対し
R2ベースでR3の機能も入った有線モデルが「R3S」
第3世代の「R3」で、ついにBluetooth接続も可能なハイブリッドモデルが登場した東プレの高級キーボード「REALFORCE」シリーズ。静電容量無接点方式のキーによる、フェザータッチとも呼ばれる軽やかでかつ非常に快適な打ち心地と高い耐久性で、熱心なファンが多いのはよく知られたところ。
一方で、ワイヤレス接続は便利だけど、自分は有線で十分、R3は奥行きが大型化されたのが……(R2の142mmに対してR3は163mm)といった声に応えたのか、第2世代のR2の筐体をベースに、R3でのハードウェアレベルのキーマップ入替機能などが加わったのが、今回紹介する「REALFORCE R3S」となる。
フルサイズとテンキーレス、それそれに標準モデルと静音モデルがあり、価格はフルサイズの標準モデルが2万1340円、同静音モデルが2万3540円、テンキーレスの標準モデルが2万900円、同静音モデルが2万3100円(いずれも公式ECサイトでの価格)。今回はテンキーレスの静音モデル(ブラック、レーザー印刷、変荷重)を入手したので見ていこう(なお、現時点ではR3Sは日本語配列のみ)。
R2と比べるとスペースキーが短くなった
現時点でラインアップはレーザー印刷のみ
R2のバージョンアップ版とされるREALFORCE R3Sだが、日本語配列のR2ユーザーなら、写真で一目でわかるだろうが、R2からはスペースキーが短くなっている。10年以上にわたって販売されていた初代REALFORCEはスペースキーが短く、V/B/Nキーの間の約2.5個分。これに対して、R2ではC/V/B/N/Mキーにまたぐ約4個分となっていた。
日本語配列ユーザーでもスペースキーは長い派と短い派で意見が分かれるようだが、個人的にはIMEのオン/オフを、それぞれ「変換」キー/「無変換」キーに割り当てて多用するというMacに近い操作をするので、R2の長さはかなり微妙だった(慣れれば使えなくはない)。それに対して、R3SではV/B/Nキーを若干ハミ出す3個強程度になっている(R3も同様)。最近は初代REALFORCEかHHKBを使う機会が多いので、それでも長い気はするが、これならさほど違和感なく使えた。また、Windowsキーが大きくなっていることにメリットを感じる人もいるだろう。
なお、REALFORCEのキー印刷には、表面がプラスチック素材そのままに近い、サラッとした昇華印刷と、しっとりとした手触りのレーザー印刷の2タイプがあり、これも好みが分かれるのだが、現在R3Sでラインアップされているのはレーザー印刷のみとなっている(R3の有線モデルには昇華印刷モデルがある)。
キーカスタマイズは専用ユーティリティーから
キー入力を受け付ける深さを調整するAPCもここから
ハードウェアレベルでのキーカスタマイズについては、専用ユーティリティーの「REALFORCE CONNECT」から作業する(Windows版/Mac版あり)。使い方は難しくなく、画面下部にある実際に入力されるキーの項目を、割り当てたいキーにドラッグ&ドロップするだけ。あとは保存を選ぶと、キーボード内に設定が記録される。
キーカスタマイズはOS側で各種ツールを用いて変更する手もあるが、設定を変更できないマシンで作業する機会がある人なら、大変に有益な機能だろう。また、今回登場したREALFORCE R3Sはいずれも、キー入力を受け付ける深さを調整できるAPC機能に対応しているが、この調整もREALFORCE CONNECTから可能だ。
REALFORCEの長所はこれまで同様で、比較的お手頃価格(それでも2万円台前半だが)。それでいてハードウェアレベルのキーカスタマイズなど、高機能化されたREALFORCE R3S。ワイヤレス接続のREALFORCE R3と合わせて、用途や好みに合わせて選ぶといいだろう。